大林組は、シールドトンネル工事の長距離化に伴い、難しくなる切羽水圧制御を効率的に行うエアリザーバー式切羽水圧制御システムを開発、実用化しました。切羽水圧の変化を圧力容器で吸収し、周囲の地盤への影響を緩和することで、安定した掘進を確保し、信頼性の高い施工を実現します。 泥水シールド工法では、泥水を送排泥ポンプで循環させながら切羽水圧を一定に保持し掘削を行います。通常、切羽水圧制御は地上に設置されている送泥ポンプの回転数制御により行いますが、近年のトンネルの長距離化に伴い、切羽水圧変動に対する応答性が鈍くなり制御が難しくなっています。また距離が短い場合でも、砂礫層等の地盤の掘削においては、排泥管の閉塞により、切羽水圧の急激な上昇を起こす場合がありました。 今回開発した、エアリザーバー式切羽水圧制御システムは、排泥管の閉塞による切羽水圧の急激な変化に対し、シールド機チャンバーに空気式の圧力吸収容器(エアリザーバー)を取り付け、圧力の変動を緩和します。送泥ポンプによる切羽水圧制御の応答性の遅れをエアリザーバーがカバーすることで、効率的な切羽水圧制御を実現し、周囲の地盤への影響を抑えます。重要構造物などの直下でも、非常に信頼性が高い施工を実現します。 今回、このシステムを、日本鉄道建設公団東京支社発注の臨海、大井町St他2工事で試験的に導入しました。エアリザーバーを接続しない時と比較した結果、圧力変動幅(最大・最小)が減少し、切羽水圧制御の効果を確認しました。これにより、切羽水圧を高精度に管理することが可能になりました。 今回開発したエアリザーバー式切羽水圧制御システムの特長は次のとおりです。
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泥水シールド掘削時の予期せぬ切羽水圧変動を抑制
トンネルの長距離化に対応した高信頼性エアリザーバー式切羽水圧制御システム
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プレスリリース