大林組は、地下の山留め壁・止水壁・構造壁、杭などに利用する地中連続壁の構築に際し、従来の同型掘削機よりコンパクトで、かつ高性能、高効率な掘削機「スーパーケリー」を用いた施工技術を開発しました。日本地盤での適応性能を検証する実証試験では、30~50%の工期短縮と20~30%のコスト低減を確認しました。 地中連続壁は、杭や鋼矢板の打ち込みなどの工法と比較して、低騒音、低振動で大深度掘削が可能な工法です。このため近年、ビルの高層化や大深度化が進む中、益々地中連続壁の山留め機能と構造壁として本体の構造体に利用するニーズが増加しています。一方、都市部の中では、大型機械の搬入ができない施工場所や、既設構造物に接した敷地や狭隘な場所での施工、あるいは掘削土の搬出や処理に制限があり大型機械を導入しても効率が悪いなどの施工条件が増加しています。 大林組は、地中連続壁の構築において、我が国最大の施工実績(現在410万m²達成)で培われた豊富な経験と最新の技術により、あらゆる地盤や施工条件に対応できる設計・施工体制を確立していますが、さらに、都市部などの施工条件の悪い場所でも、より高品質な地中連続壁を短工期かつ低コストで提供するためにさまざまな研究や技術開発を進めてきました。 今回、技術提携をしているソレタンシュバッシー社(仏国)から新懸垂型バケット式掘削機「スーパーケリー」を導入し開発した次世代地中連続壁の施工技術は、日本の透水性の高い地盤でも高品質な地中連続壁を短工期でかつ従来に比べ低コストで構築することができます。「スーパーケリー」が有する、従来の同型の掘削機と比べ非常にコンパクトでかつ自由、合理的な回転機構性能により、都市部の狭隘な場所での施工でも、高効率な地中連続壁の構築を実現します。また、掘削能率が、従来の同型と比べ2倍の掘削性能を有しているため、地中連続壁の構築をスピーディーに、最大で従来の50%の工期短縮を実現することができます。さらに、高い作業効率と掘削性能により、高品質な地中連続壁を従来より最大30%コストを低減して、構築することができます。 「スーパーケリー」の特長は次のとおりです。 最大掘削深度 75m 適用壁厚 0.60~1.5m 掘削機総重量 82t 掘削機本体サイズ 長さ10.6m×高さ17m ・従来の同型バケット式掘削機と比較して、2倍以上のスピードで掘削することが可能な高い掘削能率を有しています。 ・掘削の監視制御をリアルタイムに行えるコンピューターシステムを搭載しており、高い掘削精度を実現します。 ・掘削から排土までの軌跡を記憶するなどのシステムが搭載されていて、高い作業効率を実現します。 ・掘削機械がコンパクトなので、狭隘な場所での高効率施工が実現します。また、組立、解体に要する日数は従来の1/4で、運搬車輌台数も半分以下になります。 ・水平多軸式掘削機のような大型掘削機と同等の掘削性能を保有しておりますが、大規模な安定液循環設備は不要です。 今回、開発した次世代地中連続壁の施工技術の特長は次のとおりです。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
高品質な次世代地中連続壁を施工、工期を最大50%短縮しコストを最大30%低減します
新懸垂型バケット式掘削機「スーパーケリー」を用いた施工技術を開発
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プレスリリース