迅速かつ定量的に、建物をまるごと健康診断します

建物健康診断システム「たてもの診たろう」を開発

プレスリリース

大林組は、建物の老朽度だけでなく、機能性、安全性、環境保全性、意匠・アメニティ、経済性といった建物全般にわたる性能を定量的かつ短時間で評価する「建物健康診断システム“たてもの診たろう”」を開発しました。これにより、既存建物の性能上の強み、弱みを見つけ、性能レベルを容易に把握することができます。また、リニューアル後の建物性能も同時にシミュレーションすることができるシステムで、オフィス版と商業施設版があります。このシステムによる性能評価を某建物で行ったところ、建物所有者が気づかなかった性能上の弱点を見つけることができました。

これまでの建物診断は老朽度の評価が中心で、施設を運営する上で非常に重要な要素である使いやすさ、陳腐化、安全性、収益性、環境保全など建物の性能に対する定量的な評価はほとんど行われてきませんでした。そのため、建物の性能評価は、評価する人の経験によって判断される部分が多く、評価結果にバラツキが生じることがありました。また、定量的な評価をする場合には、検査機器による測定やシミュレーションが必要で、非常にコストと時間がかかる作業となっていました。リニューアル計画も、建物本来の性能の総合的評価より、建物の老朽度調査で得られた情報を中心に立案される傾向がありました。

今回開発したシステムは、建物全般にわたる性能を定量的に短時間で評価することができます。建物の性能を、機能性、老朽度、安全性、環境保全性、意匠・アメニティ、経済性の6つの側面から定量的かつ詳細に評価することで、既存建物の性能上の弱点を見つけ、性能レベルを容易に把握することができます。調査・診断はわずか1日程度で済むので、リニューアル方針の立案など、建物に関するマネジメントを効果的かつ機動的に推進することが可能となります。本システムは大林組が提供する劣化詳細診断、省エネ診断、耐震診断、IT診断などの各種詳細診断と連携しており、本システムで明らかになった建物の問題点は、必要に応じて個別の詳細診断により更に検討することが可能です。

今回開発した、建物健康診断システム「たてもの診たろう」の特長は次のとおりです。
  1. 建物の性能を定量的かつ総合的に評価します
    建物性能の評価項目は、機能性、老朽度、安全性、環境保全性、意匠・アメニティ性、経済性の6つの分野に分類され、さらに中項目、小項目と階層的に細分化されています。約120項目に及ぶ診断結果をパソコンに入力すると、各項目の定量的な評価がレーダーチャート形式で表示されるので、建物の性能を総合的に把握することができます。

  2. 調査、診断はわずか1日程度で完了します
    目視とヒアリングを中心とした簡易な調査なので、建物性能全般の調査、診断は1日程度で完了します。

  3. リニューアル後の建物性能も合わせて評価することができます
    評価の低い性能項目について、想定されるリニューアル項目を選択すると、リニューアル後に予測される建物性能も表示されるので、リニューアル方針の決定支援に使用することができます。

  4. 建物所有者の考え方を評価に反映させます
    建物所有者によって重要視する性能項目が異なります。本システムでは、各性能項目の重要度に対する所有者の考え方をAHP手法(階層分析法)を用いて分析し、評価に反映させます。

  5. 複数建物間の比較検討が行いやすくなります
    複数の建物所有者にとっては、建物間の性能を定量的に比較できるので、改修順位の決定が行いやすくなります。

今後、大林組は、今回開発した建物健康診断システム「たてもの診たろう」を利用し、建物の総合的な診断と最適なリニューアル提案を行っていきます。

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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