先進のビル統合管理システム「FRiGATE」が、快適なビル制御を実現します

電通新社屋建設プロジェクトで導入される大規模ビル統合管理システムの制御確認試験を実施

プレスリリース

  大林組は、(株)電通が進めている電通新社屋建設プロジェクトにおいて用いられる先進の統合ビル管理システムの制御確認試験を実施しました。実システムとほぼ同じ構成でのシステム連携による動作確認を行い検証することで、日本で初めて全面的にオープンシステムを使用した、大規模なビル統合管理システムの構築完成を目指します。

「地球環境共生」と「省エネルギー」を基本コンセプトとして進める電通新社屋建設プロジェクトは、限りある資源・エネルギーの消費量を最小限に抑え、環境と人間の持続的な共生を可能とするような、21世紀にふさわしい社屋・施設を目指しているものです。この新社屋建設は、現在約10ヶ所のビルに分散している東京本社を1ヶ所に集約し、今後ますます多様化・高度化する得意先のニーズに対し、常にベストなサービスを提供するために効率よく業務のできる環境として汐留で建設が進んでいます。新本社オフィス棟のデザインは、世界的にも著名なフランスのジャン・ヌーベル氏によるもので、柔らかいラウンド・シェイプの平面形と、透明感のある外観がもたらす威圧感のないデザインとし、周辺環境との調和が図られており、より幅の広いコミュニケーションビジネスを世界に展開するために、最先端の技術とフレキシビリティを兼ね備えた知的生産工場ともいえる新社屋として、2002年10月の完成を目指しています。
これらの環境を実現するために電通新社屋建設プロジェクトにおいては、多数の設備機器とその制御システムが設置されます。電通の要請により大林組は、快適なオフィス空間の提供を目指し、これらの複雑な設備システムの制御を統合的に管理するシステムを設計段階から提案するとともに、NTTコミュニケーションズと共同で全体をコーディネイトするシステムインテグレーターとして、NEC、セコム、ニチベイ、ニッタン、日立製作所、富士通、松下電工、山武ビルシステム、横河ジョンソンコントロールズなどの各設備機器メーカーの協力を得て、システム構築を行っています。
今回採用されたビル統合管理システム「FRiGATE」は、設備機器の制御のための標準的なシステム通信規格であるBACnet™や米国エシェロン社が提唱する自律分散型制御システムLONWORKS®を採用することで、ビルの運用管理に必要な電力、照明、空調、防災、セキュリティといった制御システム間のシームレスな連携を実現します。従来の制御システムは、各機器ごとに取付けられたセンサーからの情報を集中管理室で集中制御する方法が取られ、仕様が異なる複数のメーカー機器や各制御間の連携は非常に困難でしたが、「FRiGATE」では、各設備機器の自律分散制御と統合化された各制御システム間の連携によるビル設備の最適化により、設備の運転効率を高め、低コストで快適なオフィス環境と高度な防災、セキュリティの管理が実現できます。

*BACnet™:
米国冷凍空調工学会(ASHRAE)が提唱した各種メーカーの制御機器や管理制御システムにおける相互通信手段。ISOでの規格化が予定されており、これに準拠した管理制御システムであれば、異なるメーカー間の組合わせが可能となりシステムの拡張や統合が容易に行えます。日本では、電気設備学会によりBACnetに準拠した日本版(標準BASインターフェースIEIEJ/p)が2001年7月に公開されました。


今回、導入予定のビル統合管理システムの特長は次のとおりです。
  1. 機器ごとの自律分散制御と統合化された連携制御により、きめ細かな最適な機器動作を実現します。設備の運用コストの低減を実現しながら空調や照明などにおいて快適なオフィス環境を提供します。
     
  2. 各制御間の通信は統一規格により行われるので、特定のメーカーや機器に限定されません(マルチベンダー)。そのため、最適で低コストな設備機器を選択することができ、将来の機器の増減や変更にも容易に対応することができます。
     
  3. BACnet™規格に準拠していれば、LONWORKS®や様々なメーカー仕様のシステムなど自由に制御システムを接続することができます。そのため、他のメーカーのシステムと通信するための高価なインターフェースが不要で、制御システムの追加や変更を容易に行うことができます。また、既設の制御の変更も容易に行うことができます。
     
  4. 機器を制御するための配線が簡易なため、工期短縮とコストダウンを図ることができます。

今後、大林組は、建物のオープンな統合管理制御を実現する「FRiGATE」を、大規模ビルだけでなく、リニューアルを含めたあらゆる設備制御に提案し、快適で安全なオフィス環境を省エネルギーと合わせて実現していきます。
以上

  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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