京都迎賓館建築工事で「環境配慮型施工」を実施

プレスリリース

大林組は、「伝統の技法」と「現代の感性」の融合をめざした京都迎賓館建築工事で、自然環境や周辺環境に配慮した「環境配慮型施工」を工事のすべての段階で実施します。

京都迎賓館(仮称)は、日本らしい雰囲気のなかで諸外国からの賓客をもてなし、日本の歴史や文化への理解を深めてもらうことをめざしています。平屋建を基本とし、緩やかで高さを抑えた入り母屋造り(いりもやづくり)や築地塀(ついじべい)を周囲に巡らせた品格ある和風のたたずまいは、周辺の歴史的景観や自然環境との調和に配慮したものです。また、最新の建築技術により100年以上の長寿命化が図られる一方、木、竹、土壁、和紙、漆等の伝統技術を使うといった最新技術と伝統技術の融合が図られていることも大きな特長です。

大林組は、京都迎賓館(仮称)のあらゆる工事段階で、自然や周囲の環境へ配慮した「環境配慮型施工」を実施します。「環境配慮型施工」では、周囲の環境に影響の少ない施工方法の採用や、省エネルギー活動、ゼロエミッション活動、CO2排出量削減、グリーン調達、化学物質の適正管理などの建設業界が課題として掲げている様々な活動や手法を、施工計画時に検討し、施工段階に応じて実施していきます。

「環境配慮型施工」で実施する各種活動や手法は、次のとおりです。
  1. ゼロエミッション活動
    建設現場から発生する廃棄物を100%再資源化して最終処分量をゼロに近づけます。

  2. 省エネルギー活動
    工事事務所における空調や照明などの使用エネルギー量を毎日の取組みで減らす活動や、作業場所においても不要なエネルギー消費が発生しない活動を展開します。

  3. CO2排出量削減活動
    従来から取組んでいる省燃費運転法の実施徹底により、建設現場から発生するCO2の約70%を占めるトラックや建設機械の燃料消費率を向上させ、CO2の排出量を削減します。又、部材のPC化を検討することで、現場に入場する工事関係車輌を大幅に削減します。

  4. 化学物質の適正管理
    建設現場で使用する建材や塗料に含まれる有害化学物質の種類と量を把握し、使用量削減に努めます。

  5. 型枠用熱帯材使用削減活動
    熱帯雨林保護の為に、プラスチック型枠、ラス型枠の採用やPC化を検討し、型枠用熱帯材の使用削減に努めます。

  6. リサイクル材の積極採用
    エコ断熱工法や高炉セメントの採用など、グリーン調達を積極的に展開することでリサイクル建材の使用量を高め、循環型社会の形成に寄与します。

  7. 水質汚濁防止対策
    工事により発生する排水の水質を適正に管理し、工事域外への排出による水質汚濁を防止します。

  8. 敷地内の樹木への影響を監視
    敷地内、既存のクスノキなどの大径木の木々に対し赤外線カラー写真による樹幹の湿度分布測定と水揚げ状況を監視することで、それらへの影響を常時監視します。

  9. 地下水質への影響監視
    土留工法による地下水質の変状状況を調査し、変状を防止します。

  10. 騒音、振動防止対策
    各種工事段階における騒音や振動による周辺環境への影響を予測し、周辺への影響が少ない工法の採用や防止対策を施すとともに、常時、計測を行うことで周辺への影響を最小限に抑えます。

  11. 大気汚染防止対策
    大気への環境影響を予測し、影響が少ない工法の採用や防止対策を施すとともに、常時、計測を行うことで周辺への影響を最小限に抑えます。また、工事用道路では、時速10km走行の徹底や、省燃費運転活動の徹底により、工事車輌から排出される黒煙などの有害排気ガスの抑制に努めます。

  12. クリーンエネルギー使用
    太陽光発電などのクリーンエネルギーを導入します。

  13. 長寿命化
    コンクリート躯体の長寿命化工法を検討し、建物の長期使用を可能とし、結果として、省資源、省エネルギー、廃棄物量の削減をめざします。

大林組では、これら地球規模での環境や周辺環境を配慮した各種活動を、従来から環境マネジメントシステムに則り実施しておりますが、この度実施する「環境配慮型施工」では、より徹底した取組みを実施していきます。初段として、掘削工事に従事するダンプトラックの運転者を対象とした「省燃費運転法」実体験研修会を、5月21日、日産ディーゼル工業株式会社(本社:埼玉県上尾市)及び近畿日産ディーゼル株式会社(本社:大阪市大正区)の支援を受けて実施しました。研修に参加したのは、大林組の協力会社である壷山建設(株)(本社:大阪市此花区、社長:壷山和憲)の運転者20名です。

省燃費運転研修会は、まず燃費計を取付けたダンプトラックで通常の運転方法で走行し、研修室での省燃費ビデオや省燃費マニュアル等による座学研修の後、省燃費運転の実体験を行いました。実体験では、エンジン回転数の低減、一定速度運転、高速段の多用、エンジンブレーキの活用など4項目の省燃費のポイントを励行し、 約3.7kmの実地走行を行いました。その結果、平均で約21%の燃料削減率、約25%の燃費向上率を確認できました。工事期間で換算すると、省燃費運転法を実施しない場合と比較して、CO2排出量で約130トン、NOX排出量で約350トンの削減効果が期待できます。

大林組は、今後も引続き、工事のあらゆる段階で環境へ配慮する活動や手法を実施し、自然や周辺環境、地球規模での環境負荷低減活動となる「環境配慮型施工」を推進していきます。

京都迎賓館

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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