三重県本庁舎を「免震レトロフィット」工法にて施工中 ~建物を現状のまま使用しながら耐震補強工事をしています~

プレスリリース

pointer 三重県本庁舎を「免震レトロフィット」工法にて施工中
建物を現状のまま使用しながら耐震補強工事をしています
  大林組は、大林・日本土建・東海土建特定建設工事共同企業体として、建物を現状のまま使用しながら耐震補強ができる「免震レトロフィット」工法で三重県本庁舎の耐震化工事を施工中です。既存の建物をそのままそっくり免震化してしまうので、仮の建物に一時移転する必要もなく、県職員などが業務をしながらにして耐震補強工事が行えます。また改修後も今までどおりの執務スペースで仕事ができます。

阪神・淡路大震災から7年余りが経過し、国や地方自治体では、新耐震構造基準(昭和56年)以前に建てられた庁舎の耐震補強工事を行うケースが増えており、特に免震レトロフィット工法を採用した工事が多くなっています。耐震補強工事として免震レトロフィット工法が採用される背景には、他の工法に比べ、建物をそのまま使用しながら工事が進められ、改修後も今までどおりの業務スペースが確保できる点が挙げられますが、地方自治体にとっては、特に建て替えよりも免震化した方が工事費が安く押さえられる点が評価されており、今後もさらに免震化の動きが増えてくるものと考えられます。

今回の工事では、72台の積層ゴムと24台のオイルダンパーを使って、建物総荷重約45,000tの三重県本庁舎をそっくりそのまま免震化してしまいます。三重県本庁舎は、基礎がしっかりした固結シルト(岩盤)の上に直接支持されているので、建物の基礎下に免震装置を直接設置する方法をとっています。
まず、建物の柱に沿って建物基礎下部をトンネル状に掘っていき、柱の下に免震装置を設置していきます。1台の免震装置の設置が終わると、その免震装置に油圧ジャッキで所定の荷重をかけ建物を支持します。トンネルを掘削しながらこの作業を繰り返し行い、柱に沿った1列の免震装置の設置を完了させます。この際、作業の効率性を図るため、平行な3本のトンネルで3列同時に施工します。次に、1スパン間隔で次列を順次施工していきます。全ての免震装置の設置が終了すると、建物周囲に、水平方向50cmのクリアランス空間を確保して擁壁をつくります。このクリアランスは、地震による地盤の揺れを建物に伝えなくするためのもので、これにより建物は免震装置を支柱にして地盤から浮いた状態になり、地盤とは完全に絶縁されることになります。また、隣り合う建物の渡り廊下部分には、地震時の変形に追従できるようにエキスパンションジョイントを設けます。
今回の免震レトロフィット工法は、建物をそのまま使用しながら耐震補強を行う工事なので、建物の中で働く人や来庁者の安全を最優先に考え、建物の機能に影響を与えないよう細心の注意を払いながら施工しています。既存基礎下の掘削工事や新設基礎構築工事、免震装置の取り付けの際に生じる既設建物のレベルの変動を許容値以内に収めるため、各柱にレベルセンサーを設置し、24時間コンピューター管理でわずかな沈下やズレも見逃さないシステムになっています。

今回の「免震レトロフィット工法」の特長は次のとおりです。
  1. 建物の基礎下で積層ゴムとオイルダンパーを用いて全体免震をすることにより、免震性能が高い4秒免震が実現できます。
     
  2. 建物を現状のまま使用しながら耐震補強できます。
     
  3. 耐震補強後も今までどおりの執務スペースを確保できます。また、耐震壁を設置し、執務スペースを細分化することもないので将来のファシリティマネジメント計画にも支障がありません。
     
  4. 建物を建て替えるよりも工事費が安く抑えられます。
     
  5. 地盤が硬いことよりトンネル工法を採用し、仮設杭を用いずに免震化工事をすることで、工期の短縮とコストの低減を図っています。
     
  6. 建物の沈下を未然に防ぐため全柱にレベルセンサーを設置しているので、工事中も来庁者、登庁者の方々が安心して県庁舎を利用できます。

免震装置の設置状況 三重県庁舎全景
以上
  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
TEL 03-5769-1014