重金属汚染土38,000m3の大規模浄化で、処理・処分費を約1/2に低減

プレスリリース

pointer 重金属汚染土38,000m3の大規模浄化で、処理・処分費を約1/2に低減
ミクロンの単位で高精度にふるい分ける分級洗浄プラントを開発
(株)大林組(本社:東京都港区、社長:向笠愼二)は、重金属による汚染土壌を浄化処理するための大林式分級洗浄処理プラントを開発し、既に、重金属汚染土38,000m3の浄化処理に適用し、全ての浄化処理を完了しました。

近年、工場跡地などで水銀や鉛、砒素といった重金属による土壌汚染が問題となっています。これらの重金属で汚染された土地を再生するには、汚染土壌を取除き、健全な土壌と入れ替えます。多くの浄化工事では除去された汚染土壌は、必要に応じて汚染土壌に薬剤を添加、混合し、極めて水に溶けにくい化合物を形成することで重金属の溶出を防止する不溶化を行い、管理型最終処分場に埋立処分されています。

このほど、大林組が採用した分級洗浄方式は、汚染土壌のうち汚染濃度の高い細粒分を高精度にふるい分け(分級)、さらに付着している汚染水分を切ることで、汚染土壌を健全土と汚染土に分級します。健全土は、現地等で再利用し、汚染土は最終処分場に埋立処分等を行います。
重金属汚染土壌をいくつかの粒度(粒子の大きさ)で分類して重金属の含有量や溶出量を分析すると、粒子の大きな土ほどそれらの値が小さいことが分かります。分級処理は、この特性を利用して、重金属汚染土を適切な粒子の大きさで分級し、重金属を多く含有する細粒土と、ほとんど含有しない粗粒土に分けることで、最終処分を行う汚染土量を低減することをができます。
分級処理が適用可能な土質は、シルトや粘土の少ない砂質土に限定されますが、重金属汚染土をそのまま管理型処分場に最終処分する場合と比較すると、処理・処分にかかる費用を大幅に低減することができるなど経済的なメリットが非常に高い処理方法です。また、分級された健全土は現地等で再利用できるので、逼迫する最終処分場の延命化にもつながるという理想的浄化技術といえます。

大林組は、分級処理において処理能力の高い大林式分級洗浄処理プラントを開発し、市街地の中心部で38,000m3の汚染土を浄化しました。当地の重金属汚染は、水銀や鉛、砒素での汚染が確認されたので、土壌の粒度ごとにそれぞれの含有量を分析したところ、75μm(ミクロン、1/1000mm)以下の細粒土に高い汚染が認められました。75μm以下の細粒土は、汚染土壌の約15%を占めるので、分級により約85%を健全土として埋め戻すことが可能となりました。そのまま管理型処分場に最終処分する場合と比較すると、処理・処分費を約1/2に低減することができました。

今回開発した分級洗浄処理プラントは、浄化効果および処理能力が高いだけでなく、市街地などの狭い敷地でも浄化が可能で、騒音・振動に配慮された非常にコンパクトなプラントです。分級洗浄処理では、まず、乾式分級後の汚染土壌に水を加えて、75μm以下の細粒土を分けます。それより大きい粒度の土は場内に埋め戻します。細粒土は、加水した水を分離し、管理型処分場へ搬出されます。分離した水は、重金属等の浄化処理を行ったのち、分級用の水として再利用されます。1日当り200m3(400t)の重金属汚染土を処理し、約340tの健全土と約80tの汚染土に分離・分級処理を行いました。

今回の分級洗浄処理による汚染土壌浄化処理の特長は次のとおりです。

1 低コストの浄化処理です
最終処分のための処理費用と最終処分費用を、分級処理を行わない場合と比較して半分以下に低減しました。

2 確実に汚染土を分級します
重金属汚染が粒度ごとに異なり、特に75μ以下の粒度の土に多く含有されているという特質から、高精度、かつ確実なふるい分けを行いました。

3 都心向けのコンパクトサイズ
浄化処理装置がコンパクトなので都心部などの狭い敷地においても浄化を行うことが可能です。振動・騒音についても配慮された設備となっています。

4 周囲の環境に配慮した処理方法です
分級に使用する水は、処理して分級用の水として再利用し、水の使用料量を最小限に抑えています。また、排水される水についても浄化処理により重金属等の排出はありません。

今後、大林組は、今回の大規模土壌浄化での実績をベースに、重金属汚染土壌の浄化方法の一つして、低コストな分級洗浄処理方法を積極的に提案していきます。

大林式分級機


以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
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