修道院の建替工事において、環境配慮設計・施工を実施

二酸化炭素や建設廃棄物排出量、有害化学物質使用量の削減などを実現

プレスリリース

大林組は、「宗教法人聖母訪問会モンタナ第二修道院新築工事」において、当初、機能面を重視して鉄筋コンクリート造で計画していたものを、「環境」という視点から見つめ直し、環境に優しい木造へと変更しました。結果、当初計画に比べて、建設廃棄物排出量が約半減したほか、有害化学物質使用量の93%削減、二酸化炭素排出量の削減、グリーン調達品目の採用増などを実現しました。

社会全体の環境保全意識の高まりに伴い、最近では発注者側から、当社の環境への取り組み姿勢を問われたり、プロジェクトの計画・設計・施工の各段階で環境対策として何ができるかなどの提案を求められています。

今回の「宗教法人聖母訪問会モンタナ第二修道院新築工事」においても、当初、効率・機能性を優先して鉄筋コンクリート造で計画していましたが、機能性よりも環境共生に重きを置いた生活を選びたいとの発注者の希望により、環境に優しい木造へと計画変更が行われました。
当社は、設計にあたり、鉄筋コンクリート造から木造への変更をはじめ5つの環境配慮基本方針を定め、具体的な環境配慮評価項目を決定しました。

環境配慮基本方針
1 木造建築とする、2 合板を使用しない、3 天然材料を積極的に使用する(有害化学物質を極力使用しない・自然との調和を考慮する)、4 風土になじみ伝統的に使われてきたものを採用する、5 省エネルギー手法を採用する(自然エネルギーの活用を含む)

建物構造
当初、耐久・気密・断熱・遮音等の要求性能から、鉄筋コンクリート造で計画していたものを、機能性よりも環境共生に重きを置いた生活を選びたいという発注者の希望があり、LCCO2(建物の建設から廃棄までのライフサイクルにおける二酸化炭素排出量)削減効果等を検討した結果、木造としました。

建築材料
木材伐採による環境破壊問題を考慮して合板の使用を避けること、天然材料(自然塗料・生石灰クリーム・木繊セメント板ほか)を極力使用すること、伝統性・風土などから使われ続けてきたもの(和瓦・土佐漆喰ほか)を採用することを決めました。

省エネ的手法
雨水利用・太陽熱利用給湯・屋上緑化を取り入れることにしました。

環境配慮評価項目
1 二酸化炭素排出量、2 建設廃棄物、3 グリーン調達、4 有害化学物質

環境配慮基本方針の下に採用した環境配慮対策の効果を、当初の鉄筋コンクリート造の計画と比較して、ライフサイクルコストの観点から定量的に評価(建物の寿命を100年と想定)した結果、各評価項目(二酸化炭素排出量、建設廃棄物、グリーン調達、有害化学物質)の数値はいずれも向上しており、採用した環境配慮対策による効果が確認できました。

評価項目別にみると、LCCO2は12%の削減、建設廃棄物排出量は43%の削減、グリーン調達品は11品目204tの採用増、有害化学物質の使用量は93%の削減を実現しています。

大林組は、今後も環境への取り組み姿勢を発信していくとともに、プロジェクトの計画・設計・施工の各段階における環境対策を取り入れた環境配慮の提案を積極的に行っていきます。

 
以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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