リニューアル事業拡大のため、既存建物の調査診断機能を強化します

「GLYPHSHOT」をベースとした調査診断システムを使い、ビルオーナーに対し迅速で、質の高いきめ細やかな提案をします

プレスリリース

大林組は、既に開発し、実用化している図面ベースの情報共有ツール「GLYPHSHOT(※1)」(グリフショット)をベースに、大林組が長年蓄積してきた建物の調査診断のデータベースを組み合わせた「建物調査診断システム」を開発しました。これにより、従来2~3週間かかっていた建物の調査診断から報告書提出までの期間を半分以下に短縮し、より多くのビルオーナーに迅速で、質の高いきめ細やかな提案をすることが可能になります。

大林組では、リニューアル事業拡大のためには、まずリニューアル工事の対象となる既存の建物をなるべく多く調査診断することが重要と考え、限られた人数でより多くの建物の調査診断ができるシステムづくりをコンセプトに「建物調査診断システム」を開発しました。このシステムは、大林組が長年蓄積してきた建物調査診断のノウハウを基に、調査項目や建物の劣化状況、およびその対応策がデータベース化されているので、ビルオーナーに質の高いきめ細やかな提案をすることができます。また、将来的には、調査診断結果のデータベースをビルオーナーと共有したり、ビルオーナーから頂いた建物情報をデータベースに取り込むことにより、ビルオーナーの建物メンテナンス業務のサポートをすることも可能です。

従来の建物調査診断では、調査員が不具合箇所や改善箇所をデジタルカメラで撮影すると共に、その情報を図面上にメモします。建物の調査診断が終わると、会社にてデジタルカメラのデータをインデックスプリントし、図面上のメモと照らし合わせて報告書作成の準備をします。報告書の作成では、デジタルカメラのデータを取り込んで、所定の位置に貼り付け、さらに不具合・改善事項を文章で入力し、最後に印刷します。

「建物調査診断システム」には、データベースとして、調査項目を「区分」(建物外部、空調設備等)、「部位」(外壁、熱源設備等)、「部材」(鉄筋コンクリート、冷却水ポンプ等)、「補修ランク」(A、B等)に分類し、それぞれリストとして登録してあります。調査員はシステム上に表示された図面に不具合箇所の位置を指定し、調査項目ごとにデータベースのリストから選択するだけで調査内容の記録ができます。また、調査項目をすべて入力しなくても、既に入力されている項目の内容により「状況」・「対応」には絞り込まれたリストが表示されます。(例えば「部位」しか入力していない場合、その部位から想定できる「状況」・「対応」がリストアップされる)、これにより、PDA(携帯情報端末)でも的確な内容を最小限の操作で入力できます。
デジタルカメラの画像も、「建物調査診断システム」の「写真一括取り込み」機能により、調査内容と自動的にマッチングされますので、編集作業の飛躍的な効率化が図られます。
報告書はEXCELファイルで出力されるため、出力後の編集・カスタマイズが自由に行えます。大林組では、既に160棟のビルにこのシステムを適用し、良好な結果を得ています。

「建物調査診断システム」の特長は次のとおりです。
  1. 調査診断から報告書の作成までの期間が、従来の半分以下に短縮できます
    報告書作成にかかる業務が大幅に削減できるので、従来の半分以下の期間で報告書をビルオーナーに提出できます。

  2. 質の高いきめ細やかな提案ができます
    データベースとして、大林組が長年蓄積してきた調査診断のノウハウを基にした劣化状況ランクなどが既に登録されているので、調査診断による質の高いきめ細やかな提案ができます。

  3. ビルオーナーの日常の建物メンテナンス業務をサポートします
    調査診断結果をデータベースで管理するため、将来的にはビルオーナーとの情報の共有が可能になります。また、ビルオーナーが持っている建物情報を同システムに反映させることにより、ビルオーナーの建物メンテナンス業務のサポートをすることも可能です。

今後大林組では、自社施工物件以外の建物も視野に入れて、同システムによる調査診断を行い、リニューアル事業の拡大を図っていきます。

※1:「GLYPHSHOT」は、PDA(Personal Digital Assistant 携帯情報端末)を使い、状況や指摘事項を文字、画像、音声により直接現地でデータ入力できるので、従来の紙図面上での煩雑な作業を軽減できる画期的なシステムです。 大林組では既に新築工事の「仕上げ検査システム」にも利用しています


以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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