世界最大の泥土圧式シールド機が完成

プレスリリース

pointer 世界最大の泥土圧式シールド機が完成
~首都高速中央環状線工事で採用~
  大林組は、大林・大豊・東急特定建設共同企業体として、世界最大径(外径12.02mの泥土圧式シールド機(製作:三菱重工業・JFEエンジニアリングJV)を完成させました。大林・大豊・東急JVが施工する首都高速中央環状新宿線工事において採用します。

現在、首都高速道路公団では、主に山手通りの地下部に構築される、東京都目黒区青葉台~板橋区熊野町間、延長約11kmの首都高速中央環状新宿線を建設中です。完成すると首都高速3号渋谷線、4号新宿線、5号池袋線が都心部で南北方向に接続されることとなり、道路交通網が拡充されます。結果、交通渋滞が緩和され、都市機能が高まることが期待されています。

今回、当社JVが施工を担当するのは、SJ51~SJ53工区(豊島区千早~新宿区上落合)、延長2020mの区間です。首都高速中央環状新宿線では、すでに6工区において同規模(外径11.40m~13.06m)のシールドトンネルが施工されていますが、そのすべての工区において泥水式シールド工法が採用されています。
しかし、当社JVが担当する工区は、低土被り(土被り8.4m/0.7D)のため、泥水式シールド工法に比較して泥土圧式シールド工法が有利であることや、発進立坑部の作業スペースが狭く、泥水式シールド工法に必要な設備を配置するスペースが確保できないことから、泥土圧式シールド工法が採用されました。

泥土圧式シールド工法では、シールド機のチャンバー内で掘削土砂を攪伴することによって、土圧で切羽を保持しながら掘削を進めます。今回完成したシールド機は、過去に例の無い大断面の切羽を泥土圧で保持しながら掘進する必要があるため、チャンバー内中央部に高速で旋回(2.0rpm)する土砂攪伴装置“中央アジテータ”を取り付けたり、カッタースポーク外周部に12本の撹拌翼を装備することによって、チャンバー内の攪伴性能を大幅に向上させています。事前にチャンバー内の土砂の流動解析を行ない中央アジテータや攪伴翼の最適仕様を決定するとともに、施工中、チャンバー内可視化技術(特許申請準備中)によって土砂の塑性流動性を確認することで安定した掘進を行ないます。
また、東京礫層・江戸川砂層といった砂礫地盤を長距離掘進(L=2020m)するため、ビットの摩耗が激しいことが予測されることから、移動距離の大きい最外周には油圧で伸縮するレスキュービットを3台装備するとともに、NOMST壁※や開削部の土留壁を切削するため大型特殊先行ビットを2段(通常ビットを含めると3段)で段差配置して切削性能の確保を図っています。

NOMST壁=立坑の壁に新素材コンクリートを用いることで、地盤改良せずにシールドマシンのカッターで直接切削・開口することが可能

同工事においては、大断面の泥土圧式シールド工事を高速で施工すべく、機械的な位置決めと締結を同時に完了する新型の「内面平滑型ワンパスセグメント」を採用し、セグメントの組み立て時間を大幅に短縮します。さらに、国内シールド工事では最大級の掘削土砂搬出設備の採用や床版同時施工によって、工期の短縮を図ります。

セグメントの組立に採用を予定している新型の「内面平滑型ワンパスセグメント」は、リング継手に「ほぞ(せん断力の伝達)+プッシュグリップ(水膨張シールの拘束)」、セグメント継手に「先付水平コッター式継手」を用いることで、機械的な位置決めと締結を同時に完了する「ワンパス施工」が可能です。これにより、従来はセグメント組立時に手作業で行っていたボルトによる締結が不要となり、組み立て時間が大幅に短縮されます。セグメント組立装置には、セグメントをつかみあげること(把持)から粗位置決めまでの工程を自動化した半自動エレクターを採用します。

また、効率的かつ安定した土砂搬出を図るために、シールド工事として国内最大級の掘削土砂搬出設備を採用します。坑内の土砂搬出設備に採用する連続コンベアは、掘削が進むに伴って延伸する構造のため、シールドの連続掘削が可能です。また、時間当たり330m3の搬出能力(ベルト幅800mm)があります。そのため、ズリ鋼車による運搬に比べて運搬効率が良く、高速施工が可能となるほか、坑内の安全性も高まります。

この他にも、高速施工の一環として、シールド掘削を終えた箇所から随時、道路面となる床版設置を進める床版同時施工を行います。上下2段の軌条計画(上部:床板施工のための運搬設備、下部:後続台車とセグメントの運搬設備)によって、シールド掘進に影響を与えることなく床板設置を行うことができ、工期短縮を図れます。

今回、世界最大径の泥土圧式シールド機を完成させ、大断面かつ長距離の泥土圧式シールド工事を高速で施工することで、シールド工事に関する新たなノウハウを蓄積できることが期待されます。
大林組は、今後、トンネル工事の長距離化や大深度化、高速施工が進む中、蓄積されたノウハウの中から最適な方法を選択し、積極的に提案していきます。



泥土圧式シールド機
以上
■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
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