大林組は、コンクリートの品質のばらつきを少なくできる細骨材水浸式計量システムを徳山ダム洪水吐き建設工事(発注者:水資源開発公団)の現場プラントに導入しました。 コンクリートの品質を変動させる主な要因である細骨材の表面水量を正確に計量できる細骨材水浸式計量システムの採用により、安定した品質のコンクリートを製造することができます。 計画どおりのコンクリートを製造するには、セメント、砂利や砕石(粗骨材)、砂(細骨材)、水、混和剤などの各材料を所定の量だけ正確に計量することが重要です。このうち、単体のセメントや混和剤は正確に計量できますが、骨材の表面に水分が付着しているため、計量に際してこの表面水の量を勘案する必要があります。特に、砂は、砂利や砕石よりも保水性が大きく、一般には表面に多量の水を含んだ湿潤状態でストックされています。しかも、この砂の表面水は、ストックパイルに積み上げられた上下間で異なり、時間の経過とともに変動します。ストックしている砂の表面水を正確に把握することは難しく、一般のレディーミクストコンクリート工場では、熟練技術者の経験とノウハウで変動を見極めながら水量を補正しています。砂の表面水を計測するために各種のセンサが実用化されていますが、計測精度やセンサ校正など取扱いの面で課題が残されています。そこで、センサを使用する場合は、あらかじめ表面水の計量誤差範囲を想定し、安全側に目標値を定めてコンクリートの所定の性能が得られるように配慮しているのが現状です。 細骨材水浸式計量システムは、細骨材を飽和含水状態で計量する新しい発想のシステムです。このシステムは、細骨材を水に浸した状態で容積と質量を測定し、細骨材と水の密度差を利用してそれぞれの質量を算出します。また、同時に細骨材の表面水率を正確に求めることができます。 ダムの建設工事に使用するコンクリートは、硬練りで単位水量が小さいのが特徴です。わずかに水量が変化するだけでコンクリートの品質が大きく変動するため、コンクリートを製造する際には厳密な水量管理が必要となります。そこで、徳山ダム洪水吐き建設工事では、現場プラントの実機第1号として、細骨材の表面水を正確に計量できる細骨材水浸式計量システムを世界で初めて導入しました。 2002年3月に水浸式計量システムを設置し、同年6月より本格的に運用を開始しました。これまでに本システムによるコンクリートの製造実績は15,000m³に達しています。 徳山ダムの現場プラントで製造するコンクリートは、単位水量が小さく、コンクリートに使用する細骨材の全量を水に浸して計量することができません。そこで、細骨材の一部を水浸方式により計量し、残りの細骨材は水浸式計量に併せて求まる表面水率を用いて表面水量を計算し、練混ぜ水量を補正しています。 この細骨材水浸式計量システムを採用したプラントの特長は次のとおりです。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
細骨材水浸式計量システム(コンクリート製造名人)の実機第1号が完成
徳山ダム洪水吐き建設工事の現場プラントに導入
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プレスリリース