トリクロロエチレン等の高濃度汚染水処理に適した技術「クロロカット」を開発

プレスリリース

pointer トリクロロエチレン等の高濃度汚染水処理に適した技術「クロロカット」を開発
−電気分解を応用した安全かつ環境に優しい無害化技術−
  大林組は、電気分解によって汚染水中のトリクロロエチレン等の有機塩素化合物を無害化する技術「クロロカット」を開発しました。
「クロロカット」は、汚染濃度が高いほど効率良く有機塩素化合物を分解・無害化でき、コストメリットも高まるので、高濃度汚染水の一次処理に適した技術です。一般的であった、曝気して活性炭吸着する処理方法の前処理(一次処理)に「クロロカット」を用いることで、コストの低減が期待できます。

トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素化合物は、不燃性・揮発性・高浸透性で、脱脂力に優れていることから、機械製造業や金属加工業、クリ−ニング業等で広く活用されてきました。しかし、近年、その毒性が問題になり、地下水環境基準や排水基準等で厳しく規制されています。
有機塩素化合物の不法投棄現場や、廃液を保管している工場、汚染地盤の高濃度汚染源(ホットスポット)等では、かなりの高濃度汚染水の処理が必要になっているところもあります。

高濃度の有機塩素化合物汚染水を処理する従来技術には、曝気して活性炭吸着する方法や、汚染水を直接高温の焼却炉に投入し熱分解する方法、蒸留装置により汚染水中の有機塩素化合物を回収する方法などがあります。曝気して活性炭吸着する方法は、大量の活性炭を使用するためコストが高くなります。また、焼却と蒸留による方法は、いずれも中間処理業者が処理を行い、コストが高く、大掛かりな設備を必要とします。

今回開発した「クロロカット」は、汚染水中の有機塩素化合物濃度が高いほど分解効率が高くなり、コストメリットも大きくなるため、高濃度汚染水の一次処理に適した技術です。
処理方法は、特殊電極を用いて汚染水に直流電流を流します。汚染水中の有機塩素化合物は、特殊電極表面で脱塩素され、塩化物イオンとエチレン等の無害な炭化水素化合物となります。
この特殊電極は、有機塩素化合物とよく接触させるため、表面積を大きくした特殊金属で構成されており、耐腐食性と通水性があります。

「クロロカット」による浄化は、まず、高濃度の有機塩素化合物汚染水を電気分解し、濃度を大幅に低減(80%~95%)します(一次処理)。その後、従来の曝気・活性炭吸着処理によって放流可能な濃度まで、汚染水を浄化します(二次処理)。
高濃度汚染水の処理において、「クロロカット」と曝気・活性炭吸着処理を組み合せる方法は、曝気・活性炭吸着単独での処理に比べて、活性炭の使用量を大幅に低減できるとともに、装置もコンパクト化できます。そのため、汚染濃度や処理速度、処理水量などの条件次第では、処理コストの低減が期待できます。
例えば、汚染濃度500mg/L、処理速度5m3/日、処理水量500m3の場合の処理コストは、曝気・活性炭吸着単独での処理に比べて3割低減し、焼却処理に比べて5割低減できると試算しています。
さらに、クロロカットで処理した溶液には、毒性のある分解副生成物が残らず、処理済活性炭のような廃棄物も発生しない、安全かつ環境に優しい技術でもあります。

今回、大林組が開発した「クロロカット」の特長は次のとおりです。
  1. 高濃度汚染水の処理に適しています

    汚染水中の有機塩素化合物が高濃度であればあるほど効率良く分解・無害化できるので、高濃度汚染水の一次処理に適しています。
     
  2. 汚染濃度が高いほどコストメリットが高まります

    「クロロカット」は電気分解を用いた処理技術なので、ランニングコストは電気代だけです。汚染濃度に関わらず単位水量当たりの処理コストは変わらない(約100円/m3)ので、汚染濃度が高いほど、また、総処理水量が大きいほどコストメリットが高まります。
     
  3. 安全かつ環境に優しい処理方法です

    「クロロカット」は、有機塩素化合物に含まれる塩素を取り除きながら分解するため、処理後の溶液に毒性のある分解副生成物は残りません。また、廃棄物も発生しないので、安全かつ環境に優しい処理方法です。pH変化もほとんどないため、pH調整等の後処理も必要ありません。
     
  4. 装置が簡易で、コンパクトです

    装置は、直流電源と電極等で構成され、コンパクトです。したがって、狭い場所にも簡易に設置することができます。
大林組は、今後、「クロロカット」を、有機塩素化合物を扱う工場や廃棄物の中間処理業者等を対象とした高濃度汚染廃水の処理技術として、また汚染地下水の浄化工事における処理技術として、積極的に提案していきます。


以上
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大林組 東京本社 広報室企画課
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