大林組は、壁状の杭に節をつけることで、従来からある節のない杭に比べ、荷重を支える力を大幅に増大させた「節付き壁杭」を開発しました。杭長を短くすることができるので、コストダウンや工期の短縮を図ることができます。 すでに当社の技術研究所において、モデルによる解析を行い基本的な性能を確認しました。今後、実大実験を経て実用化を目指していきます。 近年、都市部では高層の建物が多く建設されています。高層建物は地震など大きな揺れが生じた場合、基礎部分に引き抜き力や押し込み力が加わります。従って、建物の転倒などを防止するためには、硬質地盤に長い杭を打ち込む必要がありました。 また、地震によって建物には水平力が加わります。このため、横方向への揺れに対する抵抗力を確保する必要があり、丸杭よりも横からの力に抵抗する性能が高い壁状の杭が利用されるケースもあります。 特に高層建物の杭工事では、杭を硬質地盤の深くまで施工するケースも見られ、コストも割高になり、長い工期を要していたので、これらを低減する工法の開発が求められていました。 今回開発した「節付き壁杭」は、高層ビルなどに用いられる壁状の杭に、矢じりのように張り出した節をつけたものです。押し込みや引き抜きに対する抵抗力が大幅に増大するので、硬質地盤に打ち込む杭の長さを短くすることができ、コストダウンと工期の短縮を実現します。特に塔状比の大きな高層建物に効果的で、従来の壁状の杭に比べ、硬質地盤への打ち込みの長さが2/3程度で同程度の性能が見込まれます。さらに、杭工事に要する工期、コストとも最大で2割程度の削減を期待することができます。 節は、先端部が広がる構造になっている掘削機を利用して構築していきます。この節は壁状の杭だけでなく、山留め壁(地中連続壁)や十字杭、丸杭などに付けて、杭の性能をアップすることも可能です。 また、最近ではオフィスビルやマンションなどの施工において、短工期での施工を実現するため、地下と地上の工事を同時にすすめる逆打ち工法を採用する工事が増加しています。逆打ち工法では、硬質地盤の深くまで杭を構築する場合もありますが、節を付けることで、杭長を短くすることができ、工期とコストを縮減することができます。 さらに、節は多段にすることも可能で、今後解析を進め、建物の規模や形状、地盤の条件などに合わせて、最適な節の形状や配置を決定していきます。 今回開発した「節付き壁杭」の特長は次のとおりです。
以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
杭の抵抗力、鉛直支持力を高めた節付き壁杭を開発
杭工事のコストを最大で2割程度削減
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プレスリリース