大林組は、東和科学(株)(本社:広島県広島市、社長:郷田文吾)と、土壌・地下水の原位置浄化技術「サイクリック・バイオレメディエーション(浄化)」に関する技術提携契約を締結しました。同技術は、東和科学が、欧州諸国の中でも最も積極的に土壌汚染対策問題に取り組んできたオランダより技術導入したもので、既に同国内において多数の浄化実績があります。土壌中に存在する微生物により、生分解可能な汚染物質(油類、揮発性有機塩素化合物など)を、原位置のまま低コストで処理することができます。 同技術は、原位置で土壌中の微生物により汚染物質を分解させるもので、浄化期間を短縮させるための地下水循環技術と、汎用的に利用できる微生物の栄養剤を使用する点に特徴があります。他のバイオ処理技術や、揚水処理などの物理的処理技術と比較して、浄化期間、浄化効率、浄化の確実性、安全性、コスト面において優位性があります。 使用する栄養剤は、エタノールなどを使った従来の添加剤に比べ浄化速度が速いので、浄化期間が短くて済みます。また、状況に応じて、栄養剤の量や濃度を調整できるので、効率的で経済的な浄化が可能になります。加えて、障害物を避けて注入・抽出パイプを効率よく配置できるので、稼働中の建物や下水道、地下ケーブルなどがある場合でも原位置で処理でき、建物の撤去や汚染土壌の掘削などの必要がなくコストの削減につながります。地下水は系外に出すことなく循環させるため、汚染地下水の水処理施設も必要なく、汚染物質の地上での処理や系外への露出もないため、環境負荷の少ない安全な浄化技術です。 同技術は、まず、汚染された土壌に地下水を循環させるための注入・抽出パイプを挿入します。汚染状況や障害物に応じてこのパイプを効率よく配置することにより、建物の撤去や汚染土壌の掘削を行なうことなく浄化ができます。地下水の循環量は、注入・抽出地点の流れを大きく変化させない範囲で決定します。次に、地下水を循環させる過程で、土壌中の微生物を活性化させるための栄養剤を添加します。この栄養剤により、汚染現場に生息する嫌気性微生物が活性化され、汚染物質が無害な物質へと変わります。この栄養剤は、有機酸、糖類を主成分とし、窒素、リン、ミネラル成分などが含まれる食品成分からなるものであり、地下水中には蓄積せず安全です。地下水を循環させるので、従来の栄養剤を多点注入するだけの方法より土粒子に吸着している物質も効率よく分解され、浄化期間を短縮できます。一方、油類の分解には栄養剤としての窒素、リンなどの化合物の他に、酸素も供給し、好気性微生物を利用して浄化を図ります。 今回のバイオレメディエーション技術の特長は次のとおりです。
大林組は、クウェートの大規模油汚染サイトにおけるバイオレメディエーションの適用など、国内外でバイオ技術の豊富な実積を保有しています。今後は、自社のバイオ技術に加え、東和科学のバイオ技術を組み合わせ、同社と共同して同技術の改良・改善および原位置バイオレメディエーションの新技術などの研究開発を行なうことにより、より確実で低コストのトータル・ソルーションを提供し、土壌・地下水浄化分野で業界をリードしていきます。 以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム プレスリリースに記載している情報は発表時のものです。 |
大林組と東和科学が原位置バイオレメディエーションによる土壌・地下水浄化技術分野で提携
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