大林組は、東京都港区白金にある覚林寺で、加藤清正公をまつる「清正公堂」の曳家工事を実施しています。すでに境内の空いたスペースへ横曳きしていた清正公堂を、11月27日に新たに構築した基礎上に曳き戻しました。今後は、レールの撤去などを行った上で周辺の整備工事を実施していきます。 覚林寺は、1631年(寛永8年)に日延上人が開いた由緒ある寺で、熊本藩主であった加藤清正がまつられています。築城や治水、干拓などに優れた武将であったことから、必勝祈願だけでなく、建設関係の祈願者も多く訪れます。覚林寺の敷地は周辺の開発が進んだ結果、周囲より約2m低く、降雨のたびに境内が浸水していました。その対策工事として大林組の施工により敷地全体を周辺の高さまでかさ上げすることとなりました。覚林寺の中央に位置する「清正公堂」は、1865年に建設された歴史的価値の高い建物です。この工事では、歴史的価値の高い建築物などを移設する際の一手法として用いられる曳家工事を適用しています。そのまま保存する為に、かさ上げ工事の間、敷地内の空いたスペースに移動し、かさ上げ後の地盤上に戻します。 まず平成15年6月16日に、清正公堂を境内の空いたスペースに横曳きしました。建物の下にレールを敷き、縦方向と横方向の動きに対応できる小型の台車を載せて、その上を油圧ジャッキを用いてスライドさせます。古い木造建築物は木を組み合わせた構造で、コンクリート造の建築物に比べて弱く、取り扱いに細心の注意が必要になるので、すべての油圧ジャッキを同時に少しずつ稼動させ、約18mの距離を7時間程度かけて慎重に移動しました。その後、もとの場所に高さ2mの基礎を構築し、同様に清正公堂も同じ高さまでジャッキアップしました。今回の工事でもレールを設置して、新たに構築した基礎上に曳き戻すので、はじめに横曳きした際と同様、細心の注意を払って確実に移動させました。今後、レールの撤去などを行った上で、境内全体の盛土工事や、清正公堂の屋根の葺き替え工事、隣接する本堂の新築工事などを実施します。すべての整備が完了し、覚林寺が新しい姿を見せるのは平成16年の夏の予定です。 大林組は今後も歴史的建造物の保存や復元に積極的に取り組んでいきます。 [工事概要]
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歴史的価値の高い建築物を保存するため東京都港区白金の覚林寺で「清正公堂」の曳家工事を実施しています
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プレスリリース