オフィス空間へ、新たな個性を演出します 「トラディショナル・アート・プロジェクト」

国宝「鳥獣戯画」、「京都二条城の障壁画」を融合させた新しいオフィス空間をプロデュース

プレスリリース

大林組のプロパティマネジメント事業部が提案する、日本文化を斬新に融合させたオフィス空間が誕生しました。海外でも評価が高い襖絵や掛け軸などの伝統的な日本の芸術作品を、デジタル技術を用いて、オフィスの内装デザインに取り入れることで、オフィスの機能性と日本文化の芸術性を融合させた新しいオフィス空間です。国宝である襖絵や掛け軸などをデジタルで再現し、内装デザインに取り入れたのは、今回の取り組みが初めてです。

今回のプロジェクトは、あずさ監査法人(KPMGインターナショナルのメンバーファーム、所在地:東京都千代田区、代表:由良智)の新オフィス(丸の内トラストタワーN館)で実施されたものです。オフィス空間に、「和」と「洋」を調和させるというコンセプトに基づきプロデュースされたエントランス空間は、オフィスの持つ機能性を充分に確保しながら、日本の伝統的な芸術作品を大胆かつ緻密に使用することで、新たな空間としての価値を創造しています。

襖絵や掛け軸など日本の伝統的な芸術作品は、平面的な構図でありながら、独特な立体感を持ち、世界的にも高く評価されています。これらの芸術作品は、日本の生活空間の中に実用品として使用されてきましたが、今日では適正に保存され、あるいは展示されています。近年では、デジタル技術を用いた高度な複製を制作して実物の代わりに展示し、実物は経年劣化を極力防ぐために、調整された環境で保管されているものもあります。これらの複製は、実物と区別がつかないほど緻密に、また風合までが再現されているので、実物と見分けることが困難なほどです。
今回のプロジェクトでは、京都に所在する寺社仏閣が所蔵する文化財の中から、(株)アーテファクトリーが使用許諾を得た、下記コンテンツを用いています。
エントランスには、250年の泰平の世の大舞台(家康征夷大将軍の拝賀の礼、大政奉還)となった国宝・京都二条城の障壁画「遠侍勅使の間」「式台老中の間」を、大胆にトリミングして壁面へデザインしました。
廊下部分には、歩きながら楽しい気持ちにさせるコンテンツとして、日本最古の漫画と言われている国宝「鳥獣戯画」を、壁面へ採用しました。

このような形でオフィス空間に日本の伝統的な芸術作品が取りいれられたのは、今回のプロジェクトが初めての試みです。芸術作品をトリミングして利用することは、そのものが持つ本来の芸術性を損なう危険性がありますが、これらの作品が所在する京都では、文化財保護のための資金集めと、広くそれらの芸術作品を広めることを目的として、(財)京都国際文化交流財団が、さまざまな形でコンテンツの使用許諾・集積を進めており、今回のプロジェクトでも、その意義が認められて、大胆なトリミングによる新たなデザインの素材として使用することができました。

大林組では、本社のオフィス空間とコンテンポラリーアートを融合させた試みを、東京本社アートプロジェクトとして展開しており、今回のプロジェクトもオフィス空間の新しい提案の一つとして積極的に提案していきます。

プロデュース :(株)大林組
技術提供・企画 :(株)アーテファクトリー、(財)京都国際文化交流財団
設計 :CDI青山スタジオ
(本社:東京都港区 社長 ベンジャミン・ウォーナー)
施工 :MTファシリティサービス(株)
(本社:東京都港区 社長 森聡)
(株)内外テクノス
(本社:東京都新宿区 社長 赤尾正俊)


国宝「鳥獣人物戯画」
京都 栂ノ尾山高山寺 所蔵
伝鳥羽僧正12−13世紀
京都・高山寺に伝わる甲乙丙丁4巻からなる絵巻で、日本最古の漫画とも言われている。普通我々が『鳥獣戯画』と呼んでいるものは動物達が多く描かれた甲巻のことである。二足で歩くユーモアあふれる動物達によって当時の社会・習慣を如実に反映させ、軽やかな風刺精神を描いている。

国宝二条城障壁画「遠侍勅使の間」「式台老中の間」
江戸時代
慶長七年に徳川家康が造築を開始した二条城は、「家康が征夷代将軍の拝賀の礼を受けた」、「大坂冬の陣、大坂夏の陣の作戦を練る」等、数々の歴史的出来事の舞台となってきた。数々の優れた文化資産を持ち、1939年10月に国宝・重要文化財に指定、1994年4月にはユネスコ世界文化遺産に登録されている日本を代表する文化資産の一つである。

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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