大林組は、地中連続壁を施工する際に生じる継ぎ目部分の耐力を高めることで、一体性を向上させ、かつ高止水性を実現させた新しい地中連続壁を開発、実用化しました。継ぎ目部分に、新たに開発した特殊な波形鋼板による高止水工法「CWS(Complete Water Stop)ジョイント」を用いて、コストの低減と地中連続壁の高機能化を実現します。 このたび、神宮前四丁目地区市街地再開発組合発注の市街地再開発事業(旧同潤会青山アパートの建替え工事)の基礎工事に初めて適用しました。 地中連続壁は、RCの地中壁体を連続して構築し、地中に長い壁体を構築するものです。外部からの土圧や水圧を留め、構造壁、杭などの機能も有します。 構造壁や杭として用いた場合には、地層の状況や建物の形状により、地震時の水平力を、地中連続壁に主体的に負担させる場合があります。このような場合には、地震による影響を地中連続壁全体で一様に負担させるために、従来は、継ぎ目部分を鉄板で覆い、その内側に配した横筋を重ね継手したうえで、コンクリートで固めて接合し一体性を確保していました。しかし、この方法では施工に手間がかかり、工期、コスト共に割高になるため、より簡易な方法で継ぎ目を接合し、一体性と止水性を確保した地中連続壁の開発が求められていました。 今回開発した「CWSジョイント」は、地中壁体間の継ぎ目を接合する新工法で、先行して施工する地中壁体の端部に波形鋼板を設置し、この鋼板を次に施工する壁体と結合させるものです。従来の工法に比べ、簡易に結合できるので、接合にかかる費用を2~3割低減することが可能です。また、継ぎ目に設置する波形鋼板が、十分な止水性能を発揮します。耐力と止水性能の向上により、従来、地中連続壁の内側に構築していた内壁を薄くすることができ、内空間を広く確保することも可能です。 現在施工中の旧同潤会青山アパートの建替え工事では、接合部にCWSジョイントを採用した連続地中壁が、土圧と水圧を留め、地下約30mの深さまで構造体の構築を可能としています。 また、地震時の水平力を考慮する必要がない場合には、ジョイント部材を波形鋼板ではなく塩化ビニール製の止水板を用いた「CWS−Sジョイント」工法を開発、実用化しています。高い止水性能を確保することができるので、地中連続壁の内側に構築していた止水用の内壁を省くことができ、内空間を広くすることが可能です。 今回開発した「CWSジョイント」工法の特長は以下の通りです。
以上
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一体性と止水効果を向上させた高機能の地中連続壁を開発、実用化
地中壁体の接合工法「CWSジョイント」を旧同潤会青山アパート建替え工事に初適用
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プレスリリース