大林組は、すでに開発・実用化しているプレキャストブロック耐震壁「3Q-Wall(サンキューウォール)」について、同工法の普及や更なる技術改良を目的に、材料販売会社や専門工事会社、設計事務所など18社とともに、「3Q-Wall工法研究会」を設立しました。騒音や振動を発生させず、従来の半分程度の工期で耐震化できるこの工法を広く普及させ、耐震化が遅れていると言われる学校や病院などの改修に用いることで、社会資本の維持に貢献します。 阪神淡路大震災以降、全国的に大きな地震が発生しており、既存建物の耐震補強への需要が高まっています。既存建物を耐震補強する方法の一つに耐震壁を設ける工法がありますが、従来は鉄筋を組み、型枠を設け、コンクリートを流し込むという方法が一般的で、この方法では施工の過程で大きな騒音と振動が発生します。さらにコンクリートの打設時にはポンプ車と配管を配置するなど大掛かりな設備が必要で、長い工期と手間がかかっていました。 全国の公立の小中学校のうち、新しい耐震基準が施行された昭和56年(1981年)以前に建設された校舎は、8万棟以上あると言われており、文部科学省は平成18年度までに耐震化するよう指示しています。しかし、従来の工法では、改修に時間がかかるため仮校舎が必要となりコストが割高となってしまいます。また、病院やホテルなど振動や騒音を出すことが難しい施設では、従来の工法で改修工事を実施することが困難な状況です。 大林組は、これらの課題に対応するため、既に開発、実用化している耐震補強工法「3Q-Wall」を広く普及させるとともに、更なる技術の向上を図るため、平成15年12月に「3Q-Wall工法研究会」を設立いたしました。 「3Q−Wall工法研究会」概要
「3Q-Wall」は、鉄筋を組んで特製のプレキャストコンクリートブロックを積上げ、内部に高強度グラウトを充填するだけで耐震壁を構築することができる、低騒音、低振動、かつ短工期を実現した耐震補強工法です。従来の工法と同等のせん断強度を有しており、既に(財)日本建築総合試験所から耐力や変形能力に関する建築技術性能証明を取得しています。 初めて適用した物件では、隣に営業中の施設があったにもかかわらず、施工していることが分からないほど、静かに工事を行うことができました。その後、学校や病院、ホテル、商業施設、コンピュータセンター、オフィスビルなど幅広く、多用途の建物で耐震補強工事に採用されています。 「3Q-Wall」の特長は次のとおりです。
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「3Q-Wall工法研究会」を設立し、工法の普及と更なる技術改良を推進します
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