大林組は、大阪府泉南部岬町多奈川地区多目的公園用地造成事業の土砂採取供給工事において、現場で発生した伐採材などを用いて森林を保護する取り組みを行っています。伐採材や根株を森林と開発区域との境界部(林縁)に垣根状に積み上げることで、乾燥の原因となる開発区域からの風の影響を抑えるなど、既存の森林の保護に取り組んでいます。 丘陵部などで森林の樹林を伐採し、開発をする場合、開発区域から森林へ風が吹き込んで、既存の森林そのものが衰退していく恐れがあります。ここ岬町の土砂採取地は、多目的公園として整備されることが予定されており、開発による森林への影響を出来る限り緩和するとともに、本来そこに生息している希少な植物を含めた生態系の維持が求められています。 従来は、森林への影響を抑えるために、暴風ネットで覆う方法が一般的でしたが、設置後にネットが外れたり、破れたりしたときの保守作業等の維持管理が困難であること、ネット自体に保水機能がないため乾燥防止の効果が低い、などの課題があり、より有効な方法の開発が求められていました。 今回大林組が岬町で取り組んだ森林保護は、現場で発生する伐採材や根株を利用して、林縁からの森林衰退を防ぐものです。林縁に沿って、根株を粉砕したチップを厚さ10センチメートル、幅2メートル程に敷きならし、さらに伐採材から小径木や枝葉を選び1メートル程の適度な高さに積み上げて垣根状にしました。 垣根が、林縁へ風が吹き込むことを抑制し、地表への太陽光を緩和します。チップは地表の細かい凹凸にも応じて落ち着き、太陽光を遮るとともに吸湿性があるので乾燥を防止する効果があります。 伐採材やチップは現場で発生したものだけを使用しており、またチップを敷きならしたところには、飛来する異種が根づきにくいので、もともと生息していた希少な植物も繁殖力旺盛な雑草の影響を受けることなく回復が認められるなど植生再生に良好な環境を保っています。 大林組では今回の取り組みを「林縁保護工法」と名づけ他の地域の開発にも積極的に提案していきます。 今回活用した「林縁保護工法」の特長は次のとおりです。
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現場で発生する伐採材や根株を利用して森林の保護に取り組んでいます
効果的な森林保護を実現する「林縁保護工法」を活用
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