超短期、低コスト、リユース可能な鉄骨工事工法「ニューONW工法」を開発、実用化 ~鉄骨工事の工期3割短縮を実現する高耐震、エコ工法 ~

プレスリリース

pointer 超短期、低コスト、リユース可能な鉄骨工事工法「ニューONW工法」を開発、実用化
鉄骨工事の工期3割短縮を実現する高耐震、エコ工法
  大林組は、大型の店舗や屋内スポーツ施設向けに、高耐震性を確保しながら柱と梁の接合部分を独自の形状と方法で接合することで、超短工期で、低コストを実現するリユース可能な鉄骨工事工法「ニューONW(ニュー・大林・ノン・ウェルド)工法」を開発、実用化しました。従来から開発を進めてきた「ONW(大林・ノン・ウェルド)工法」と合わせ、既に、15棟の店舗等に適用し、発注者から高い評価を得ています。

大型店舗などのように単一の広い空間を必要とする施設の建設は、事業開始までの期間をできるだけ短くして、施設の早期利用開始とローコスト化が求められます。
従来、これらの施設に使用する鉄骨造の梁には、その長さに合わせて異なる高さの鉄骨を用いているため、柱との接合箇所の形状がさまざまでした。また、耐震性を確保するために柱と梁は、完全に溶接する必要があり、柱と梁の接合には、熟練工による、箇所毎に異なる加工手間が必要で、さらに溶接した箇所は、溶接の品質を確認するための詳細な検査を受けなければ、次の工程に作業を進めることができませんでした。
現場での組立手間を省力化し、施設の早期利用を、しかも低いコストで実現する工法の開発が求められていました。また、阪神・淡路大震災では、溶接を多用する骨組に多くの破断が見られており、溶接破断の無い高い耐震性能を有する工法の開発が求められていました。

大林組では、従来から、大型の店舗などの広い空間を必要とする施設の鉄骨工事において、工場での鉄骨製作と、現場での組立作業を減らす工法の開発を進めてきました。「ONW(大林・ノン・ウェルド)工法」と名づけた一連の開発では、鉄骨工事の短期化と低コスト化のために、次の開発目標を定め、開発を進めながら、既に15棟の施設へ適用してきました。

  1. 溶接技量に左右されない簡易な溶接を用い、さらに工場での加工作業(溶接作業)を極力減らしたボルト接合を用いることで、接合作業の平準化と鉄骨工事の省力化を図る
  2. 従来の工法のように溶接部破断の無い高い耐震性能を有する鉄骨架構
  3. 柱や梁の鉄骨材を極力単一化することで、接合箇所ごとの加工方法の差を減らす。
  4. 流通過程においても材料の加工手間を減らし、部材の単一化により運搬の効率化を図る
「ニューONW工法」は、従来の「ONW工法」をさらに改良し、柱と梁の接合作業を究極まで省力化した工法です。梁の高さに影響されることなく、一定の方法で柱と梁を接合することができます。接合部分の柱にはドーナツ型のプレートを設け、そのプレートに、特殊な高さ調整プレートを用いて梁を載せるようにして高力ボルトで接合します。従来、梁の高さに合わせて梁端部の形状が異なっていたため、接合箇所ごとに熟練工が高さの調整をしながら行っていた溶接作業は不要となります。工場での鉄骨製作および現場での作業を著しく省力化したことで、鉄骨工事の超短期化と低コスト化を実現しました。
また、特殊な高さ調整プレートが、地震などの際にかかる水平荷重に効果的にはたらくことで、高い耐震性を確保しながら、従来に比べて梁のサイズを小さくすることが可能となります。また、柱や梁材を単一化することで、運搬の効率化も実現しているため、省力化による工事費の削減だけでなく、材料費のコストダウンも実現しています。
さらに、柱や梁材を単一化し、ボルト接合により架構を形成するため、従来難しかった、材料をそのままリユースすることが可能となり、環境に優しい建築を実現しています。

「ニューONW(ニュー・大林・ノン・ウェルド)工法」の特長は次の通りです。
  1. 超短工期を実現
    特殊な高さ調整プレートを用いることで、梁の高さに影響されずに柱との接合を一定の手順で行うことができ、熟練工による高さ調整を行いながらの溶接作業は不要です。工場での鉄骨製作も省き、溶接の詳細な検査も省くことで、工期を3割短縮する超短工期を実現しました。
     
  2. 低コストを実現
    現場での加工手間を省くことで、工事費の削減を実現しました。また、特殊な高さ調整プレートを用いることで、梁サイズを細くすることができ、柱や梁材の単一化、流通過程の加工手間の削減、さらに運搬の効率化により材料のコストダウンも実現しました。
     
  3. 材料をリユース可能なエコ工法
    ボルト接合なので梁部材が脱着可能で、将来施設が不要となった際には、そのまま柱や梁材をリユースして使用することが可能となります。
     
  4. 高い耐震性能
    建物が地震を受けた場合は、高さ調整プレート(ハンチ)先端で地震のエネルギーを吸収するため、阪神大震災で見られたような溶接破断がなく、高い耐震性能を確保しています。

    ハンチ:曲げによる力やせん断体力の抵抗を大きくするために、梁や端部の断面を中央より大きくした部分。
今後、大林組は、今回開発した「ニューONW工法」と従来の「ONW工法」を、鉄骨造の大型店舗の短期施工法として積極的に提案し、発注者のニーズに応えていきます。さらに、他の用途の鉄骨造に対しても展開を目指します。

以上
  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
TEL 03-5769-1014