大林組は、地下の自動車専用道路などのシールドトンネルの分岐・合流区間をトンネルの外に出ることなく施工することができる「ジャンクションビーム工法」を開発しました。連結部分の上、下部に、高剛性の梁を用いることで、無支柱の連結を実現します。従来、分岐合流区間を設けるのに主流であった開削やNATM工法(※1)よりも、コスト、工期ともに大幅な削減が期待でき、かつ自由に分岐・合流場所を選定することができます。 自動車専用道路トンネルの分岐や合流部、鉄道トンネルの渡り線部は、本線と分岐線との連結部分に長い(200m程度)織り込み区間が必要です。シールドトンネルにより施工されるこのような部分は、従来、地表からの開削工法により函型の構造物を構築するか、あるいは、複数のシールドトンネルを並行して近接施工した後、地表から地盤改良を行ったうえで、トンネル同士をNATM工法などで連結させていました。しかし、前者では分岐合流部の施工箇所が地表からの開削工事ができる場所に限定され、後者では地上への影響を配慮しながら、地下水対策や地盤変状対策などが必要でした。 近年、都市部において地上からの開削工事が難しくなり、また大深度地下でのトンネル構築が増える傾向にあることから、大林組では地中工事だけでシールドトンネルを連結することができる「地中アーチ工法」(※2)を開発し、積極的に提案してきました。 今回、大林組では、トンネルの外に出ることなく地中工事だけでトンネルを連結することができ、しかも大幅なコストと工期の縮減を実現する「ジャンクションビーム工法」を開発しました。連結部分の上、下部に高い剛性の梁を60cm程度の間隔に設けて、連結部分にかかる荷重をトンネルの覆工へ受け流すことで、無支柱の連結を実現します。また、セグメントとパイプルーフ(鋼管φ100~150mm)で囲まれた地山の露出がほとんどない状況で工事を進めることができるので安全に施工を行うことができます。 「ジャンクションビーム工法」によるシールドトンネル連結の手順は次のとおりです。
今後、大林組は、今回開発した「ジャンクションビーム工法」と、既に開発した「地中ディバージェンス工法」や「地中アーチ工法」を、都市部の自動車専用道路トンネルや、鉄道トンネルの渡り線部分などの構築に際し、条件に合わせて提案していきます。 以上
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コスト、工期を従来の6割程度に抑えたシールドトンネルの地中連結工法を開発
トンネルの外に出ることなく、非開削でトンネルを連結する「ジャンクションビーム工法」
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プレスリリース