大林組技術研究所に技研ナレッジマネジメントシステムを導入

新しいデータベース概念である関係履歴型データベースを採用

プレスリリース

大林組は、社内に散在する技術情報(知識、知恵、経験、考え方などの各種情報)を最大に活用して、新たな「知」を創出すること、そして、この活動を通して研究開発活動のスピードアップと活性化を図ることを目的とした技研ナレッジマネジメントシステムを導入し、知識、知恵、情報などを蓄積・共有する「技術相談フォーラム」と、それらを蓄積する関係履歴型「ナレッジデータベース(KM-DB)」の二つの核から構成される技研ナレッジポータル(TRI-KP)を本年4月1日から運用開始しました。

技術研究所では、昨今のIT技術の発展や組織の改編に伴い生じてきた、
  1. 研究・開発テーマを複数研究室で実施することが多くなり、情報共有が必要である。
  2. 膨大な情報から必要情報を素速く正確に取り出せる仕組みが必要である。
  3. 蓄積した情報の分析を行い更なる付加価値を付けた情報を生み出す仕組みが必要である。
などの問題に対処する必要がありました。また、従来から研究成果や関連情報などが、研究員、研究室あるいは関連部門の一部でのみ活用されることが多く、せっかくの知的資産を暗黙知に終らせてしまっており、これをもっと有効に活用する必要もありました。
こうした問題を解決するため、技術研究所では平成12年5月からナレッジマネジメントの導入について検討、準備を進めてまいり、この程その運用を開始しました。

技研ナレッジマネジメントシステムの最大の特徴は、これまでに類を見ない関係履歴型データベースの採用にあります。関係履歴型DBには、従来のデータベースのように情報に「利用した」という一方向性ではなく、情報同士の関係性も重要な情報となるため、情報同士に「利用する/利用された」という双方向性を持たせてあります。それによって、情報同士の関係性を活かして情報に付加価値を付けることができ、その付加情報を発信することで、利用者の便を図り、「良い・役に立つ情報」を提供することが可能になります。
関係履歴を情報相互に残すことによって次のような効果が期待できます。
  1. 関係履歴をたどり「芋づる式」に必要情報を取り出せる。
    ある技術的問題を解決しようとDBを検索した際、必要なすべての情報をヒットできなくても、どこかにヒットできれば他の必要な情報に容易に辿り着くことができる。
     
  2. 技術のトレンドが把握できる。
    技術に着目し縦軸に各技術の適用件数(使用実績数)、横軸に時間経緯を取ると、各技術のトレンドが分かる。同様に技術分野別のトレンドを見ることも可能である。こうしたトレンドを分析することにより、研究開発ニーズの把握、今後の方向性の検討にとっての貴重な資料とすることができる。
     
  3. 技術から見た利用実績一覧、現場から見た利用実績一覧が分かる。
    ある技術の利用実績を一覧することもでき、技術のトレンド、利用数(量)、利用分野等の情報を得ることができる。
    また、生産現場にフォーカスをあて、その現場で利用されている技術の一覧を表すこともできる。この情報から現場の所長は同じ技術を用いている現場の様子や、その技術の不具合、トラブル事例などを知ることができ、不具合、トラブルの発生防止に役立てることができる。さらに、そうした技術情報は設計にも活かすことが可能である。
なお、上記の考え方を実装したシステム、「技研ナレッジポータル(TRI-KP)」は、(株)ジャストシステムと協業して開発いたしました。
大林組では、技研ナレッジマネジメントシステムの展開により、研究開発活動のスピード化、効率化を図るとともに、社内の技術情報を最大に活用し事業の効率化を図っていくこととしています。

技研ナレッジマネジメントシステム構成図

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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