大林組は冬季の冷気を利用して、土中に設けたアーチ型貯蔵庫の周囲の覆土や、貯蔵庫下の蓄熱水槽、庫内の製氷器の水を冷却し、夏季の冷熱源として利用する「パイプアーチ型雪氷利用貯蔵庫」を開発し、実用化しています。牧野工業(株)(本社:北海道虻田郡ニセコ町、社長:牧野雅之)と共同で、平成15年1月にニセコ町に建設した第1号の施設では、1年間の検証の結果、電気料金を従来の貯蔵施設より大幅に低減できました。 第1号の低温貯蔵施設は、傾斜地を利用し施設の大半を土の中に設置することで、施設を覆う覆土が、断熱層と冷熱源の2つの機能を兼ね、外気温の影響を低減することができる仕組みです。しかし、貯蔵庫の大半を土で覆う必要があるため立地が傾斜地に限られることや、施工に手間がかかり建設コストも従来施設より若干割高となるといった課題がありました。 大林組では、こうした課題を解消した第2号施設を、このたび北海道長沼町に完成させました。この施設は、北海道の助成を受け、石田農園(本社:北海道夕張郡長沼町、社長:石田浩司)へ技術協力し建設したものです。本施設は建物を土で覆わないタイプなので、設置場所を選ばす、また従来の貯蔵施設と同程度のコストで建設することが可能です。雪を基本冷熱源とし、ヒートポンプ式冷凍機を使用して温度調整を行っており、従来の貯蔵施設に比べ、電気代を1/8程度に抑えることができます。今後、この第2号施設の性能の検証を行ったうえで、農業関係者などに積極的に提案していきます。 「パイプアーチ型雪氷利用貯蔵庫」第2号施設の特長は次の通りです。
第2号施設(長沼町)の低温貯蔵施設の概要 幅 10.0m 高 さ 5.0m 長 さ 10.8m 貯蔵量 90t 冷熱源量 ヒートポンプ・冷凍機:1.1kw(コンプレッサー出力) 以上
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雪氷を利用した「パイプアーチ型雪氷利用貯蔵庫」を汎用化
環境にやさしい低温貯蔵施設は電気代が従来の1/8
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プレスリリース