大林組は、硫酸によるコンクリートの腐食を抑制する、耐酸性に優れたセメント系材料を開発、実用化しました。このたび、(株)デイ・シイ(神奈川県川崎市、社長:塙本隆弘)を通じて、「耐酸セラメント」という商品名で販売します。硫酸による腐食が懸念される下水道関連施設の建設などに使用することで、構造物の耐久性を高めるとともに、長寿命化を実現し、維持管理コストを含めたライフサイクルコストを低減します。 現在、下水道関連施設のコンクリート構造物では、硫酸が発生しやすいため、コンクリートの劣化を抑制する工法の開発が求められています。従来は、構造躯体に使用できる耐酸性の高いセメントが市販されていなかったため、コンクリート構造物の躯体自身に耐酸性を持たせることはできませんでした。一方、補修用の材料としては耐酸性のセメント系材料(ポリマーセメントモルタル)がありましたが、腐食した部分を除去し、補修・修復する必要があるので、メンテナンス費用が必要になるという課題がありました。 今回、大林組が開発し、デイ・シイが製造・販売する「耐酸セラメント」は、劣化の可能性がある有機系の材料を使用せず、無機系の成分のみで製造した耐酸性セメント系材料です。硫酸によるコンクリートの腐食を最小限に抑えるので、構造物の長寿命化を実現し、維持管理コストを含めたライフサイクルコストを低減できます。 「耐酸セラメント」は、通常のセメントのように使用することができます。生コンプラントで通常のコンクリートと同様に製造でき、耐酸性を有する耐酸コンクリートとして大量に供給できるため、構造物の建設時に使用することが可能です。また、下水道関連施設だけでなく、酸性腐食が予想される温泉施設や食品工場などへも適用できます。 なお、技術的なサポートおよびコンサルティングが必要な場合は、(株)太平洋コンサルタント(本社:東京都千代田区、社長:石崎寛治郎)が窓口となって行います。 今回、販売する「耐酸セラメント」の特長は次のとおりです。
今後、デイ・シイは、耐酸性セメント系材料「耐酸セラメント」を積極的に販売していきます。また大林組は、「耐酸セラメント」を用いた耐酸コンクリートを、硫酸腐食の発生しやすい状況にあるコンクリート構造物のライフサイクルコストを低減する工法として、積極的に提案して行きます。 同時に、姉妹品として、初期強度や付着性能を高めた「ドライセラメント」も販売いたします。「ドライセラメント」は、耐酸性の高い補修材料などに使用できるセメント系材料で、「耐酸セラメント」と同様にデイ・シイを通じて積極的に販売していきます。 硫酸浸漬試験結果の比較:水セメント比30%、養生温度20℃、5%硫酸溶液 以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 お問い合わせフォーム |
硫酸による腐食に強い耐酸性セメント系材料「耐酸セラメント」を開発・販売
コンクリートの耐酸性を大幅に向上させ、下水道施設の硫酸腐食を抑制します
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プレスリリース