法面での遮水層構築で威力を発揮するベントスロープ工法を開発

優れた自己修復性を有した高規格遮水構造物の構築を実現します

プレスリリース

大林組、旭化成ジオテック(株)(東京都墨田区、社長:嶋崎康)、カーボフォル・ジャパン(株)(本社:東京都港区、社長:風巻叡)の3社は、共同で、急勾配な斜面での土質材料を用いた高規格遮水構造物の施工を、容易に、しかも低コストで実現できるベントスロープ工法(ベントナイト充填布製型枠遮水工法)を開発、実用化しました。法面における遮水層構築方法として優れており、高い遮水性が要求される廃棄物処分場の遮水工等に適した工法です。

廃棄物処分場、貯水池、調整池、修景池など遮水を必要とする構造物には、遮水シート、アスファルトコンクリート、あるいはベントナイト混合土等の土質材料が遮水層として採用されています。こうした遮水方法には、施工の容易さ、建設コスト、完成後の維持管理等の面で、それぞれに長所と短所がありました。ベントナイト混合土等の土質材料による遮水層は、遮水シートに比べ破損に強いものの、急勾配での法面では施工に時間と費用を要するという短所がありました。このたび実用化したベントスロープ工法は、この急勾配の法面に遮水シートの敷設並の作業時間で、破損に対する優れた自己修復性を有する遮水層を構築することができ、建設費と維持管理費とをトータルで低減することができます。

ベントスロープ工法は、布製袋状マットに、充填材としてベントナイト粉粒体を空気圧送で充填し、これを水和、膨張させ布製袋状マットで拘束することにより、密な半永久的遮水層を形成します。

ベントスロープ工法の大きな特徴は、次のとおりです。
  1. 急勾配にも対応

    布製型枠にベントナイト粉粒体を空気圧送で充填するため、急勾配な斜面でも施工が可能です。したがって、従来工法に比べ掘削断面が増すことにより、廃棄物処分場の埋立容量を増やすことができます。


  2. 容易な施工

    布製型枠への充填材として吸水性、膨潤性に優れたベントナイト粉粒体を用いるため、転圧作業が不要です。従来の遮水シートの敷設と同程度の作業時間で施工が可能です。


  3. 優れた自己修復性

    拘束された布製型枠内において、吸水によりベントナイト粉粒体の膨潤作用が長期にわたり継続することから、遮水層の破損時における自己修復性に優れています。


  4. 建設費の低減

    一般の転圧工法によってベントナイト混合土により遮水層を構築する場合に比べて、約2割程度のコストダウンが計れます。


大林組、旭化成ジオテック(株)、カーボフォル・ジャパン(株)の3社は、遮水層としての信頼性も高く、急斜面にも適用可能であり、しかも建設費と維持管理費とをトータルで低減できるベントスロープ工法の採用を、発注者に積極的に働きかけていきます。また、今回の技術については、外販にも力を入れていくこととしています。

遮水層構築における原理

 
以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
お問い合わせフォーム