世界で初めての「動く鉄塔」が完成

愛知万博で愛知県館のモニュメントに大林組のVGT技術が採用されました

プレスリリース

大林組が開発した「動く鉄塔」が、愛知万博において愛知県館のモニュメントに採用され、このたびその鉄塔部分が長久手会場に完成しました。
宇宙ステーションの開発にも用いられる「可変形状トラス(※1)(VGT/Variable Geometry Truss)」を地上の構造物に採用した初めてのケースとなります。

※1 トラス(三角)の一部を伸縮させることで、トラスの形状を変化させ、これによってトラス構造物全体を変形させる技術


モニュメントは、高さ18mの動く鉄塔3本と、鉄塔の中央に設置される唐子指南車(からくり人形)で構成されており、「踊る指南鉄塔」と名づけられました。来年の2月には唐子指南車が設置され、愛知のモノづくりパワーを表現する動くモニュメントとして、次世代の建設技術と伝統技術が融合した愛知県館のランドマークとなります。

今回、大林組は、愛知万博のモニュメントでVGTを初めて実用化いたしました。アクチュエーターと呼ぶ電動の伸縮機構を、1本の鉄塔に3機設置しています。この3機のアクチュエーターが、コンピュータ制御によって個別に伸縮することで、鉄塔がゆらゆらと揺れるように動きます。通常の演出では、不規則にゆっくりと動くように設定されていますが、定期的に3本の鉄塔が同時に大きく開く、ダイナミックで躍動的な動きのバリエーションも用意しています。
鉄塔は、高さ18mで、1機あたり約6tの重量があります。最大で外側に54度、内側に7.5度の角度まで動き、先端の最大速度は秒速約50cmになります。また、先端には白色灯が設置され、夜間でも楽しむことができるモニュメントとなっています。

VGTは、将来的には、屋根が花びらのように開くドームや、展示するものの大きさによって屋根の形状が変わる展示場、演目によって最適な音響となるよう天井の形状を変えられるコンサートホールなどにも活用することが可能です。
大林組は、VGTを始めとする未来建築の分野でも先進的な開発を行うことで、次世代の建築分野にも積極的にチャレンジしていきます。

愛知県館の屋上に設置された
「動く鉄塔」
鉄塔3本が開いた状態
以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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