オフィスの照明ランプを半数にすることで大幅なコストダウンと省エネ化を実現

必要な照度を確保しながら、コスト、消費電力とも2割以上低減します

プレスリリース

大林組は、松下電工(株)(本社:大阪府門真市、社長:畑中浩一)と共同で、イニシャルコストやランニングコストを大幅に低減するグリッド天井用の照明器具を開発しました。必要な照度を確保しながら照明ランプを半数にすることで消費電力を低減する、地球環境にやさしい照明です。
この照明を、今月竣工する「西新宿KSビル」に初めて採用しました。

最近、オフィスビルの天井に「グリッドシステム天井」を用いるケースが増えています。グリッドシステム天井は、60cm角の正方形のパネルを並べた天井で、間仕切り位置を自由に設定できることや低コストであるなどのメリットがあります。
一方、グリッドシステム天井は、パネル3枚おきに照明付きパネルを設置しますが、従来の照明器具は、パネルの両端に1本ずつ、計2本の照明ランプを備える仕組みとなっています。これは、1本のランプでは約600ルックス程度の照度しかなく、オフィスに必要な照度(約700ルックス)を確保できないためです。しかし、1パネルあたり2本のランプを用いると、合わせて1,200ルックスとなり、逆に明るすぎるため、合計で700ルックスになるよう光の強さを絞って使用しているケースがほとんどです。2本のランプを用いると、どうしても消費電力やコストが割高となるため、これらを低減できる照明器具の開発が求められていました。

このたび開発した照明器具は、必要な照度を確保しながら照明ランプの数を半分に減らし、消費電力やコストを大幅に低減するグリッドシステム天井用のルーバー付照明器具です。ランプの裏側に反射率の高い反射板を用い、その反射板の形状を工夫することで、1パネルあたり1本のランプでも700ルクスの照度を確保しています。1パネルあたり2本のランプを用いている従来の照明器具に比べ、消費電力を20%以上低減することができます。コスト面でも、照明器具のイニシャルコストは20%以上、ランニングコストは25%以上低減することができます。
このたび完成する西新宿KSビルでは、年間1,100万円程度のランニングコストを280万円程度、減らすことができる見込みです。
この照明は、平成16年9月に意匠登録を出願しています。

この照明の特長は以下の通りです。
  1. 照明ランプを半数にても必要な照度を確保します

    照明ランプの裏の反射板を工夫することで、照度を向上させ、従来2本必要だったランプを1本にすることができます。1本でも700ルックスの照度があるので通常のオフィスの明るさは確保しています。


  2. 消費電力を2割以上低減する環境にやさしい照明です

    照明ランプが半数になることで、700ルックスにおいて消費電力が20%以上低減できます。大幅な省エネが可能な、地球環境にやさしい照明です。


  3. コストを2割以上低減します

    照明ランプが半数になるので、照明器具のイニシャルコストを2割以上低減できます。また、消費電力が減少するので、ランニングコストも2割以上低減することが可能です。

今後、大林組は、消費電力やコストを大幅に低減できるこの照明器具を使用したグリッドシステム天井を積極的に提案していきます。

【工事概要】
工事名称:西新宿KSビル新築工事
場所:東京都新宿区西新宿3丁目
構造:鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造
規模:地上12階 地下1階、延床面積9,900m²
工期:平成15年11月1日~平成17年3月31日

従来の照明器具

開発した照明器具

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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