大林組は、掘削した油汚染土のバイオ浄化において、冬季などの低温環境下でも微生物の分解能力が落ちない「温度管理型バイオパイル工法」を開発しました。2004年10月~2005年3月にかけてこの工法を用いた現場での実証試験を実施し、十分な浄化効果があることを確認しました。 大林組は、掘削した汚染土を微生物の働きで浄化するバイオレメディエーションで、多くの実積をあげています。1990年代に国内企業として初めて、クウェートで15,000m³に及ぶ汚染土のバイオ処理を実施して以来、国内で掘削油汚染土のバイオ処理を手がけてきました。 しかし、これまでのバイオ処理は、処理コストが安いというメリットがある反面、比較的長い浄化期間が必要でした。特に冬季などの低温期には微生物の活性が下がり、更に浄化の進行が遅くなるという課題がありました。 今回、開発した「温度管理型バイオパイル工法」は、掘削した油汚染土に、特殊な資材を添加し、敷地内に畝(うね)状に細長く積んでおくだけで、汚染土の中の微生物が活性化し、油分を分解できるものです。バイオ処理に適した温度は10℃から50℃の間であり、そのなかでも最適な温度は25~40℃です。処理時の季節や気温に応じて、特殊資材の添加量、通気量を適切に設定することにより、汚染土をバイオ処理に最適な温度に保つことができ、微生物の活性が低下する冬季においても、効果的なバイオ処理が可能となることがわかりました。 微生物の活性に最適な温度で効率的に処理できるので、浄化に要する工期を大幅に短縮することができます。大林組が2004年10月~2005年3月にかけて、1,200m³の汚染土を用いて実施した実証試験の結果では、浄化開始後約2週間で温度が最高値に達し、浄化速度が最大となりました。その後浄化速度は減少し、1ヶ月後には油膜・油臭が消失し、油汚染をほぼ分解しました。従来のバイオ処理工法では冬季における浄化に3ヶ月かかっていましたがこの工法では以上のように、1ヶ月で浄化できます。また、工期の短縮などによる効果で浄化コストも大幅に低減します。従来のバイオ処理の工法と比較して20%低減することが可能です。 「温度管理型バイオパイル工法」の特長は、以下の通りです。
以上
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低温でも効率的に汚染土を浄化する「温度管理型バイオパイル工法」の現場実証実験に成功
掘削した油汚染土を低コスト、短工期で浄化する最適な浄化工法です
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プレスリリース