騒音診断対策支援システム「カルマンド」を開発、実用化

騒音の状況を的確に把握し、施設管理者のニーズに即した効果的な対策方法を提案します

プレスリリース

大林組は、工場等から発生する騒音への効果的な対策を提案できる、騒音診断対策支援システム「カルマンド」を開発しました。

工場などから発生する騒音は、騒音規制法や自治体の条例などで規制されています。また、近年の環境意識の高まりやISO等の取得に関連して、周辺への配慮や継続的な改善が強く求められています。
一般的に、工場では製品の販売状況等に応じて施設や設備が更新・増設されますが、それに伴い騒音の発生状況も変化します。そのため、このような変化に適宜対応し、騒音を規制内に抑える対策が求められています。一方、将来の施設追加や増設にも対応できるよう、あらかじめ規制に対して余裕をもった対策を行っておくことも必要とされています。

このたび開発した騒音診断対策支援システム「カルマンド」は、騒音の影響度分析や対策方法の効果シミュレーションを用い、騒音内容や対策効果を比較・検討することで、施設管理者の騒音対策を支援できるシステムです。あらかじめ、複数の騒音対策を比較することができるので、その中から施設管理者のニーズに即した対策方法を提案できます。すでに化学工場や精密機械工場などに適用しており、その有効性を確認しています。

このシステムの特長は以下の通りです。
  1. 騒音状況を的確に把握し、対策方法を検討することができます

    工場内の機器それぞれの騒音の影響度を比較することで、影響度の特に大きい機器があるのか、同じような影響度の機器が多数あるのかなどを把握できます。これにより、騒音源の機器そのものに対策を施すのか、あるいは防音壁による一括した対策を施すかなど、対策方針の決定が容易となります。また施設の更新、増設、撤去などが騒音の伝搬に及ぼす影響も予測できるため、長期計画に基づく工場全体の一貫した騒音対策も可能となります。


  2. 換気口で効果的に騒音を抑えます

    建物に付随する複数の換気口を対象に、最適化手法である線形計画法(※1)の応用により必要な騒音の低減量を求めることができます。換気口に取り付ける消音器のコストは低減量により変わってきますが、カルマンドにより、効率よく、かつコストを抑えた対策方法を検討することが可能となります。


    ※1 最適化手法である線形計画法: 与えられた資源、制約などの条件のもとで、必要な効果を達成するために、最適な計画・設計・運用方法などを数学的に求める方法のひとつ


  3. 対策案の効果を視覚的に把握することができます

    対策案が工場敷地内外に及ぼす効果を、分布図等で視覚的に分かりやすく示します。複数の対策案の効果を容易に比較することが可能になるので、対策方法の決定や関係者への説明に役立ちます。


  4. カルテを蓄積できます

    施設の更新とそれに対する騒音検討事項や対策内容、現場調査の結果等の履歴を診断カルテとして蓄積します。これにより、施設管理者が交代しても情報が散逸せず、また工場周辺に対して騒音対策の継続的な取り組み実績を示すことができます。

大林組では、今後このシステムを用いて、騒音の状況を的確に把握し、騒音を抑えながら生産効率性まで追求できる、バランスの取れた施設の構築を支援します。

カルマンド(画面例)

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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