千葉北西部の地震における免震建物の地震観測結果について

プレスリリース

大林組では、7月23日に発生した、千葉北西部を震源とするマグニチュード6.0の地震において、当社で施工した免震建物の免震効果を確認しました。首都圏の免震建物5棟(中層のオフィスビル3棟、低層の研究施設1棟、レンガ造の低層建築物1棟)で記録された地震の観測結果によると、建物の加速度が免震効果により、3割から6割程度に低減していました。
このうちの1棟は、当社が平成11年に免震レトロフィット(※1)でリニューアル工事を行った、立教大学(東京都豊島区)の礼拝堂(レンガ造1階建て)です。この礼拝堂では、基礎部分で44.7galあった加速度が、免震建物内では17.4galと約4割にまで低減していました。同じ敷地内に隣接する非免震のレンガ造1階建ての建物内では、加速度が193.1gal(建物基礎の約4.3倍)に増幅していました。
このように、免震構造が建物の揺れを大幅に抑えることができ、地震対策として非常に有効であることを実証できました。
なお、当社ではこれら5棟を含め、全国数十箇所の建物について地震観測を行なっていますが、全ての観測データは東京都清瀬市にある技術研究所で一元管理しており、オンラインでデータ収集を行い関係部署に配信するシステムを整備しています。
当社では、今回のような観測結果をもとに免震装置の性能を確認し、設計・施工へのフィードバックを図っています。今回確認できた免震効果を踏まえ、今後も免震構造の採用を提案していきます。

※1 免震レトロフィット
既存建物の下部に積層ゴムを設置して免震構造にリニューアルする工法。立教大学の礼拝堂は、大正9年(1920年)に竣工した歴史的建造物で、レンガ造の建物として初めて免震レトロフィットを適用した建物です(設計監理:日建設計)。



以上

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