砂礫地盤や大深度の掘削にも対応可能な「ゲル化気泡シールド工法」を開発

プレスリリース

pointer 砂礫地盤や大深度の掘削にも対応可能な「ゲル化気泡シールド工法」を開発
弾力のある気泡を用いて、施工性と止水性を大幅に向上します
  大林組は、京浜ソイル(株)(本社:横浜市南区、社長:永井文博)と共同で、シールドトンネル工事の際に掘削の補助材として用いる気泡の泡膜を、弾力のあるゲル状にすることで、従来の気泡では適用が困難だった砂礫地盤や大深度の高水圧下でも、効率的に掘削できる「ゲル化気泡シールド工法」を開発しました。この工法を用いることで、他の添加材の併用が不要となるので、コストダウンが可能となります。

従来の「気泡シールド工法」は、特殊起泡材で作られた微細なクリーム状の気泡を、シールド機の前面に注入しながらトンネルを掘削する工法です。気泡が掘削土の流動性を向上させるため、スムーズな掘削を可能にし、掘進時の止水性も向上することができます。掘削後には気泡は消泡されて注入前の地山に近い状態に戻るため、運搬や残土処理も容易な優れた工法です。
しかし、透水性の高い砂礫地盤や大深度の高水圧下で従来の気泡を用いると、地下水流や水圧などの影響により消泡されてしまうため、他の添加材や補助工法を併用する必要がありました。そのため設備規模も大規模となり、施工管理も複雑にならざるを得ませんでした。
最近では、補助工法を省略するため、気泡を強化する技術が研究されていますが、気泡を作る前の液体段階で泡膜の粘性を向上させると、発泡時の圧力上昇や発泡装置の目詰りを発生させ、安定した気泡を作ることができませんでした。

今回開発した「ゲル化気泡シールド工法」は、ゲル化剤を添加して泡膜を強化した気泡を用いることで、砂礫地盤などでも補助工法を併用せずに掘削できる気泡シールド工法です。粘性が高く弾力のある気泡なので、地下水流の影響を受けやすい地盤であっても、気泡が消えることなく土粒子間に充填され、土砂の流動性や掘削時の止水性を向上させることができます。従来、気泡注入の際に併用していた他の添加剤が不要となるので、設備が小規模になりコストを低減することができます。
また、掘削面に注入する直前で気泡にゲル化剤を添加するので、注入管の目詰まりを防ぎ気泡を安定して供給することができます。


今回、開発した「ゲル化気泡シールド工法」の特長は次の通りです。

  1. 地盤の止水性が向上
    ゲル化剤を添加して泡膜を強化した気泡をシールド機の前面に注入することで、掘削の際の止水性を大きく向上させることができます。従来、採用が難しかった透水性の高い砂礫地盤や高水圧下の施工でも、補助工法なしで掘削できます。
     
  2. 施工性が向上しコストも低減
    砂礫地盤を掘削する際に必要だった補助工法の設備が不要となるので、コストを低減することができます。シールドマシーン内の設備をシンプルにでき、施工管理も容易となります。
     
  3. 無公害な材料を使用
    特殊起泡材やゲル化剤、解ゲル剤などは、食品添加物などを主成分としているため、無公害で安全な工法です。
     
  4. 残土処理・処分が容易
    気泡は、掘削後に自然に消泡します。作業スペースや時間的条件によりすみやかな消泡が要求される場合には、解ゲル剤を添加した消泡材を散布することにより、泡を消すことができるので、運搬や残土処理が容易となります。
すでに、配合試験や透水試験および実工事規模の発泡試験を実施して、十分な性能を確認し、基本配合や注入率算定式等の技術を確立しております。
今後、大林組は「ゲル化気泡シールド工法」を、今までの気泡シールド工法では適用困難であった地盤においても、安全かつ確実な技術として、積極的に提案していきます。

ゲル化気泡シールドの正面
以上
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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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