大林組と首都高速道路(株)(本社:東京都千代田区)と石川島建材工業(株)(本社:東京都千代田区)は、共同で、シールドトンネルに用いるコンクリートセグメントを鋼製の短繊維を混入した高流動コンクリートで製作することにより、品質と耐久性を向上する「SFRC(鋼繊維補強高流動コンクリート)セグメント(NETIS登録番号:KT-040107)」を開発、実用化しました。従来鉄筋に負担させていた荷重を鋼繊維にも分担させることで、主鉄筋量を減らすことができ、主鉄筋と直角方向に配置される配力鉄筋やフープ鉄筋を省略することも可能になりました。 このたび、首都高速道路(株)発注の首都高速中央環状新宿線シールド工事「SJ51工区~SJ53工区(外回り)トンネル工事(所在:東京都豊島区、セグメント外径:φ11.8m、延長:2018.8m)」において、本セグメントを60リング(90m)にわたり実適用いたしました。 従来のコンクリートセグメントは、まず主鉄筋とそれをつなぐ配力鉄筋、フープ鉄筋で鉄筋かごをつくり、型枠にコンクリートを流し込んで製造します。従来の方法では、複雑な配筋のため、鉄筋の加工や組立作業に手間がかかること、また、型枠を振動させる装置(テーブルバイブレータ)を用いてコンクリートの締固めを行うため、剛性の高い型枠を用いる必要があることから、セグメント製作費が割高となっています。また、テーブルバイブレータが大きな騒音・振動を発生するため、これらを低減する対策も必要となります。さらに、従来のセグメントの構造では、取り扱いを慎重に行っても、隅角部で割れ・欠けが発生してしまうことがありました。 今回開発、実用化した「SFRCセグメント」は、鋼繊維を混入した高流動コンクリートを用いて製造したセグメントです。 コンクリート中に鋼繊維を混入することで、コンクリートの構造性能が向上し、使用する鉄筋の量を減らすことができるうえ、鉄筋の加工や組立に要していた手間を省力化することができます。また、外部からの力で微細なひび割れが生じる場合でも、従来のセグメントに比べてひび割れ幅を低減できるため、セグメントの耐久性が大幅に向上します。鋼繊維がセグメントの端部まで均等に行き渡っているため、隅角部の割れ・欠けも防止できます。さらに、高流動コンクリートを使用することで、セグメント製作時に用いるテーブルバイブレータが不要になり、型枠自体も簡易なもので済むため、セグメントの製造コストが縮減できます。 今回、本セグメントを60リングに適用した「SJ51工区~SJ53工区(外回り)トンネル工事」では、従来のRCセグメントに比べて鉄筋量を34%低減しました。また、組み立てたセグメントに割れ・欠けがなく、高品質であることも確認しました。 「SFRCセグメント」の特長は以下のとおりです。
以上
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SFRC(鋼繊維補強高流動コンクリート)セグメントを実用化
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プレスリリース