週末を利用してビルのトイレをリニューアルする「60時間トイレ改修工法」を開発

プレスリリース

大林組は、改修工事の際に、ビル入居者が不便を感じないように、金曜日の夜から月曜日の朝までの60時間でトイレをリニューアルする工法を開発しました。

最近、築年数が経過した古いビルにおいて設備の更新やリニューアルの需要が増加しています。リニューアル工事は、オフィスビルを営業しながら工事を行う必要があるため、可能なかぎり短時間で工事を完了することが求められています。なかでもトイレの改修工事は、通常、上下2フロア分のトイレの使用を禁止したうえで、工事に約3週間の期間を要しており、その間、ほかのフロアのトイレを使用するなど多大な不便が生じていました。また、執務時間帯にも改修工事を行うため、騒音、振動、ほこりの発生についても問題となっていました。

今回、大林組が開発した「60時間トイレ改修工法」は、トイレのリニューアル工事を休日のうちに集中的に完了させる工法です。
もともとあった壁や床などはできるだけ撤去せず、再利用して工事を行うことで時間を短縮しています。また、和式から洋式に変更する際、和式便器跡をモルタルで塞ぐために、従来は乾燥時間として丸3日程度を要していましたが、当社が開発した速硬型高流動性モルタルを使用することで、大幅に時間を短縮することが可能となりました。また、下階天井内で新しく配管を設置するためには、通常、下階の天井内で作業する必要がありましたが、これを極力なくし、改修するトイレの壁際に新たな配管スペースを設け、その中で配管を行うなど効率化をはかっています。
この工法を適用することにより、ビル入居者が退社する金曜日の18時から工事を開始し、月曜日の出社前6時までの、わずか60時間で工事を完了することが可能となります。

「60時間トイレ改修工法」の特長は以下のとおりです。
  1. 既存の壁や床を撤去せず、再利用しています
    壁や床を撤去せず、既存の壁面や床面に、仕上げ用の化粧不燃ボード等を直貼りするため、時間を短縮することが可能となります。これにより、廃棄物も低減できるため、環境にも大きな負担をかけません。

  2. 床面は速硬性モルタルを使用して補修します
    当社で開発した速硬型高流動性モルタルにて床の補修を行うため、モルタルの乾燥時間を大幅に短縮することが可能となり、補修後12時間で仕上げ用のシートを貼ることができます。

  3. 床上の壁際に新たな配管スペースを設けています
    作業時間を要する下階の天井内の配管を極力なくし、壁際に新たな配管スペースを設け、その中に配管を設置することで作業時間の短縮と作業効率の向上を図っています。

大林組では、「60時間トイレ改修工法」を実証するため、当社の独身寮で本工法によるトイレの改修を行い、57時間で完成することを確認しました。今後、ビルのリニューアル工事を受注するために、環境にやさしく短時間で施工可能な本工法を積極的に提案していきます。

ブース取り付けの様子

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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