中小型クリーンルームシステム「MSCR」を開発

タイプ別に標準化したシステム建築の採用により、約2ヵ月間の工期短縮と10%のコスト削減を実現

プレスリリース

大林組とオーク設備工業(株)(本社:東京都千代田区、社長:横森孝之)は共同で、少量多品種製造の半導体工場や電子部品工場、研究施設などの中小型クリーンルームを必要とする工場等に適した、MSCR(Medium and Small sized Clean Room/中小型クリーンルームシステム)を開発しました。MSCRは、タイプ別に標準化したシステム建築を採用することにより、従来工法と比較して、設計開始から竣工までの工期を約2ヵ月間短縮し、建築工事費については、約10%のコスト削減を実現しました。

従来の半導体工場は、大型クリーンルームを持つ工場(メガファブ)が主流でした。一方、半導体の少量多品種製造や研究開発及び試作等を行う場合には、大型クリーンルームより中小型のクリーンルームの方が効率的です。しかしながら、中小型クリーンルームを持つ工場を建設する場合にも、大型クリーンルームを持つ工場と同じ概念・方法で設計、建設していたため、多くの時間とコストがかかっていました。

今回開発したMSCRは、あらかじめ工場で加工した部材を現場で組み立てるだけで建設できる、システム建築を採用しています。柱間隔の統一や構造部材を徹底して標準化することで、従来現場で行っていた生コン打設や部材の加工作業を無くしました。これにより、従来工法では、設計開始から竣工までに約8.5ヵ月かかっていたものが、標準モデル「一般タイプ」では、約6.5ヵ月と約2ヵ月間の工期短縮となり、建築工事費(設備工事を含まず)においては、10%のコスト削減を実現しました。

MSCRには、電子部品工場及び研究施設に適した「一般タイプ」と、一般タイプに比べて清浄度が高く、床下に空気の流通路を確保するなど、半導体工場に適した「高機能タイプ」の2種類の標準モデルを用意することで、2つのモデルを比較しながら、顧客にとって最適な仕様の提案を可能としました。

このシステムは、クリーンルームを順次接続・拡張させることができるため、MSCR導入時に、将来の施設増築を考慮した計画が可能です。また、「幅広い清浄度の実現」、「低アウトガス対応」、「微振動対応」、「生産機器支援設備」等の各種オプションメニューを組み合わせることで、様々な機能ニーズへの対応が可能になります。

MSCR(中小型クリーンルームシステム)の特徴は以下のとおりです。
  1. タイプ別に標準化したシステム建築の採用により、約2ヵ月間の工期短縮と10%のコスト削減を実現
    今回開発したMSCRは、タイプ別に標準化したシステム建築の採用により、従来工法と比較して、設計開始から竣工までの工期を約2ヵ月間短縮し、建築工事費については約10%のコスト削減を実現しました。

  2. 2種類の標準モデルを用意し、比較しながら顧客にとって最適な仕様を提案
    電子部品工場及び研究施設に適した「一般タイプ」(延床面積:約1,400m²、クリーンルーム面積:約900m²)と、一般タイプに比べて清浄度が高く、床下に空気の流通路、生産機器及び配管スペースを確保するなど、半導体工場に適した「高機能タイプ」の2種類の標準モデルを用意することで、2つのモデルを比較しながら、顧客にとって最適な仕様の提案を可能としました。

  3. MSCR導入時に、将来の施設増築を考慮した計画が可能
    クリーンルームを順次接続・拡張させることができるため、将来の施設増築を考慮した計画が可能となりました。

  4. 各種オプションメニューを組み合わせることで、さまざまな機能ニーズへの対応が可能
    幅広いクリーンルーム清浄度の実現、低アウトガス対応材料の採用、露光装置や電子顕微鏡等の振動を嫌う装置の架台(嫌振架台)や部分免震の導入、生産機器支援設備(プロセスサポート設備)の構築など、各種オプションメニューを組み合わせることで、様々な機能ニーズへの対応が可能となりました。

大林組とオーク設備工業は、今後、中小型クリーンルームを必要とする小規模な半導体工場や電子部品工場および研究施設向けに、MSCRを積極的に提案していきます。

標準モデル「一般タイプ」イメージ図


標準モデル「高機能タイプ」イメージ図


以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
東京都港区港南2-15-2  品川インターシティB棟
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