大林組は、微振動制御と建物免震を両立する高機能免震装置「ディスクダンパー」を電子関連生産施設向けに開発し、このほど、広島県呉市に建設中の株式会社ディスコ桑畑工場新棟に初導入しました。また、第二弾として現在建設中の最先端半導体工場への採用が決定しています。
生産施設を保有する製造業では、近年多発した地震を契機として、地震対策を含めた事業継続計画(BCP)を推し進めています。一般的に免震システムは、施設の基礎に積層ゴムを設置することにより、地震などの大きな揺れを積層ゴムの変形によって吸収させる「柔構造」となっています。しかしながら、電子関連生産施設のような微細加工を行う施設では、小さな地震動や風など、普段では人間が感じることのできない微小な建物の揺れを嫌うことから、ある程度までは固くて揺れない「剛構造」が必要とされるため、これまで「柔」と「剛」の相反する2つの要求を満たす免震技術の開発が求められていました。
今回、開発・実用化した高機能免震装置「ディスクダンパー」は、ばねを縮めようとする外力が変化しても、常に一定の反発力を生じる性質を持つ中央の“皿ばね(ディスク)”と下部の“すべり板”で構成されており、積層ゴムなどの従来からある免震装置と組み合わせて使用します。
通常時では、強風や内部の設備機器などの振動による建物の小さな揺れを“皿ばね”の安定した反発力で抑えるため、従来の免震建物では難しかった半導体の配線加工や電子顕微鏡による検査・計測など、微振動を嫌う作業が可能となります。また、地震等による大きな建物の揺れに対しては、積層ゴムなどの免震装置によって揺れが低減するとともに、“皿ばね”の反発力と“すべり板”の摩擦力により、柔らかく揺れを吸収することができます。
今後とも大林組は、様々な生産施設における「安定生産」と「施設の安全」に貢献する技術を積極的に開発・提案していきます。
「ディスクダンパー」の特長は以下のとおりです。
■優れた微振動制御
強風や内部の設備機器などの振動による建物の小さな揺れを“皿ばね”の安定した反発力で抑えるため、従来の免震建物では難しかった半導体の配線加工や電子顕微鏡による検査・計測など、微振動を嫌う作業が可能となります。
■高い免震性能
地震等による大きな建物の揺れに対しては、積層ゴムなどの免震装置によって揺れが低減するとともに、“皿ばね”の反発力と“すべり板”の摩擦力により、柔らかく揺れを吸収することができます。
以上
■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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