CSG新型混合装置「大容量連続ミキサ」を開発

台形CSGダムの施工における工程短縮とコスト低減を実現

プレスリリース

大林組は、台形CSG(※1)ダムの築堤材料であるCSG(Cemented Sand and Gravel)の製造において、従来と比較して大きな能力を有する「大容量連続ミキサ」を開発し、平成21年3月18日にDKミキサ(CSG混合装置:認定機関(財)日本ダム協会)としての認定を受けました。

台形CSGダムは、河床堆積物や掘削ズリなど、現場近くで容易に入手できる岩石質材料にセメントと水を添加し、簡易な混合により製造されるCSGを使用した台形形状のダムです。コンクリートダムと比較した場合、現地発生材を有効利用するため、経済性や環境保全に優れていることや、強固な基礎岩盤を必要とせず、ダム建設箇所選定の自由度が大きいことなどから、今後の増加が見込まれています。

一方、台形CSGダムの施工にあたっては、大量且つ所要の品質を満たすCSGが必要となることから、CSG混合装置には大きな製造能力とともに可傾式ミキサと同等の混合性能が求められます。従来のCSG混合装置は、製造能力が100m³/h程度までの機種が主流であったため、大規模な台形CSGダム工事では工程確保に複数台の混合装置を設置する必要がありました。このため、複数台の混合装置の設置に伴う、各混合装置への材料供給設備の設置や管理要員の増員など、コスト面で大きな負担となっていました。

今回認定を受けたCSG新型混合装置「大容量連続ミキサ」は、最大で300m³/hのCSGの製造が可能となるため、大幅な工程の短縮が図れます。また、大規模な台形CSGダムの建設工事においても、複数の混合装置の設置を必要としないため、大幅なコストの低減が図れます。
「大容量連続ミキサ」には、100~150m³/hの公称能力を有する「DKP-Y-150」から最大300m³/hの能力を有する「DKP-Y-300」まで3種類のラインアップをそろえており、様々な規模の工事に対応することができます。

DKミキサとしての認定に先立ち、平成20年11月から平成21年2月にかけて実証実験を行い、可傾式ミキサ(CSG混合装置としての標準機)との混合性能比較試験において、「大容量連続ミキサ」が同等以上の品質を有することを確認しました。

大林組は、台形CSGダムの施工において「大容量連続ミキサ」を使用することで、品質確保、工期短縮、コスト低減を実現し、お客様のニーズに応えていきたいと考えています。


※1 CSGとは(Cemented Sand and Gravel)の頭文字


大容量連続ミキサの内部構造



CSG製造設備の全景。右端にある受材ホッパに採取した河床堆積物や掘削ズリを投入。セメントとともにベルトコンベアで中央部の大容量連続ミキサに搬送し、内部で水と一緒に混合する


以上

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