潜熱蓄熱材を用いたビル空調用「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システム」を開発

~ 設備のコンパクト化、CO2排出量の削減、ランニングコストを低減 ~

プレスリリース

平成22年5月18日
株式会社大林組
株式会社ジャパンエナジー
 

潜熱蓄熱材を用いたビル空調用「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システム」を開発

~ 設備のコンパクト化、CO2排出量の削減、ランニングコストを低減 ~

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達、以下「大林組」)と株式会社ジャパンエナジー(本社:東京都港区、社長:松下功夫、以下「Jエナジー」)は、パラフィン系潜熱蓄熱材「エコジュール®」(Jエナジー製)を用いた、ビル空調用のタンク式中温冷水潜熱蓄熱システムを共同開発しました。
 

潜熱蓄熱材とは、水が氷となる様に液体から固体に、または固体から液体に相変化する際、熱を蓄えたり放出したりする性質を有した物質で、中でも「エコジュール®」は、生活温度領域(3℃~30℃)の中で、相変化する温度を任意に設定できる潜熱蓄熱材であり、「蓄熱量が大きい」、「安定した性能を長期間保持する」等の特長を有しております。

今回開発した「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システム」は、13℃~19℃程度の比較的高い温度(中温)の冷水を利用した蓄熱システムであり、この中温冷水を「エコジュール®」に蓄熱することで、設備のコンパクト化、CO2排出量の削減、ランニングコストの低減を実現しました。
 

<タンク式中温冷水潜熱蓄熱システムの主な特長>

  1. 設備のコンパクト化
    従来の水だけによる蓄熱システムでは蓄熱槽が非常に大きくなるため、その設置場所が限定されていました。このたび、蓄熱量の多い潜熱蓄熱材を利用することで、今までの水蓄熱方式と比較して、40%の容積で同じ能力を発揮できます。このことから、蓄熱槽の容器をコンパクトにすることが可能となり、屋上や室内で設置が可能なタンク式とすることができます。
  2. CO2排出量の削減
    冷水を利用する冷房システムでは、一般的に5~7℃程度の低温の冷水が用いられますが、本システムでは低温の冷水ではなく中温冷水を利用すること、かつ蓄熱システムですので、昼間と比較して外気温度が下がる夜間に運転をすることで、ヒートポンプチラー(注1)などの熱源機の高効率な運転が可能となり、熱源機のCOP(注2)が向上します。蓄熱を行わない熱源方式と比較しますと、約25%のCO2排出量の削減に寄与します。
  3. ランニングコストの低減
    蓄熱運転に安い夜間電力(注3)を利用することで、蓄熱を行わない場合と比較して約70%のランニングコストの低減を図るとともに、電力負荷の平準化に貢献します。

このタンク式中温冷水潜熱蓄熱システムは、乾燥剤(desiccant:デシカント)を用いて除湿を行うデシカント空調や、天井や床パネル等の表面温度と人体温度との差による放射で人体熱を除去する放射空調などの潜熱顕熱分離型空調と組み合わせて利用することができ、現在建設中の大林組技術研究所 新本館「テクノステーション」(2010年10月完成予定)に設置される予定です。
 

大林組は、技術研究所新本館で実現する“省CO2を実現する建築・設備技術”を今後も展開してまいります。

Jエナジーは、パラフィン系潜熱蓄熱材「エコジュール®」を通じて空調分野を含め、自動車関連、住宅分野など多岐に渡る用途で今後も省エネ、省CO2に貢献してまいります。

なお、タンク式中温冷水潜熱蓄熱システムの開発にあたり、凝固融解特性試験やシミュレーション検討に関して、中部大学工学部建築学科 山羽 基 教授のご協力を得ています。
 

(注1) ヒートポンプチラー:
熱媒体等を用いて低温部分から高温部分へ、または反対に熱を移動させる技術で、連続的に冷水を製造する機械。

(注2) COP:
Coefficient Of Performanceとは、成績係数ともいい、冷房機器などのエネルギー消費効率を示す指標。

(注3) 安い夜間電力:
業務用蓄熱調整契約による夜間の蓄熱電力量の従量料金を示す。
 

大林組 ビル空調用「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システム」

以 上
 
 

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社大林組
CSR室広報課
TEL:03-5769-1014

株式会社ジャパンエナジー
広報担当
TEL:03-5573-6100

プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。