コンクリートの締固めに適した「スパイラル型バイブレータ」を開発

プレスリリース

株式会社大林組
エクセン株式会社
株式会社吉川組
城東機械リース株式会社

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、エクセン株式会社(本社:東京都港区、社長:林秀一)、株式会社吉川組(本社:京都府京都市、社長:中澤哲夫)、城東機械リース株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:宮西清美)と共同で、コンクリートの締固めに適した「スパイラル型バイブレータ」を開発しました。

スパイラル型バイブレータの外観


スパイラル型バイブレータの外観

コンクリートを締め固めるには、型枠内に流し込んだコンクリート中にバイブレータを挿入し、引き上げるといった作業を繰り返すことが必要です。バイブレータは、太径の製品ほど振動エネルギーが大きく、締固め能力が高い反面、重量が大きくなるので取回しに労力を要します。特に、狭いスペースでは鉄筋や埋設物が障害となり、作業性が低下します。最近は、鉄筋が高密度に配置された構造物も多く、未充てんなどの不具合を防ぐために、締固めの効率がさらに高く、作業性に優れたバイブレータが求められています。

こうした要望に適えるべく「スパイラル型バイブレータ」を開発しました。主な特長は、以下のとおりです。なお、本製品は「業務の改善と質の向上を図る運動」として大林組が平成17年から取り組んでいる「業務改善運動」で、現場の社員から提案があり開発されました。


  1. 「らせん状の凹凸」を設けたバイブレータにより、振動が効率良く伝播されます

    振動体表面にらせん状の凹凸を設けたことによりコンクリートとの付着が高まり、バイブレータの振動が効率良く伝播されます。締固めの効果はコンクリートの種類によって異なりますが、実験では同一径の従来品に比べて締固めの範囲が約10%大きくなる結果も得られており、作業の効率が向上します。


  2. 振動モータの回転方向を切り替えることで効率的に締め固めできます

    らせん状の凹凸と内蔵されたモータの回転を組み合わせることで、振動の伝播特性が変化します。振動モータを左回転(逆転)させた場合、バイブレータを挿入する際に下方向に振動が伝播しやすくなり、コンクリートの充てん効果が高まります。逆に、右回転(正転)させた場合には、引き抜く際に上方向に振動が伝播しやすくなり、コンクリートから余分な気泡を排出し、密実に仕上げる効果が高まります。


  3. バイブレータが抜けなくなるトラブルを軽減できます

    鉄筋が密に配筋された狭あいな部位では、バイブレータが鉄筋の間に挟まるトラブルが多くなります。このような場合でも、モータの回転を切り替えることで引き抜きやすくなり、トラブルを軽減することができます。

大林組は、より高品質のコンクリート構造物を構築するためのツールとして、総合評価方式入札における技術提案にも「スパイラル型バイブレータ」の採用を積極的に提案していきます。


バイブレータによる振動伝播のイメージ
バイブレータによる振動伝達のイメージ

振動式L型フロー試験における流動状況(実験条件:スランプ8cm、振動時間15秒)
振動式L型フロー試験における流動状況(実験条件:スランプ8cm、振動時間15秒)



(参考)
本製品は、締固め作業の効率を高めたプロ仕様のバイブレータとして、エクセン株式会社が製造し、本年8月から一般販売を開始しております(定価21万円(型式HBM40AXS))。詳細については、エクセンホームページ(http://www.exen.co.jp)をご覧ください。


以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報第1課
お問い合わせフォーム

エクセン 営業部
TEL 03-3434-8455

プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。