携帯電話の赤外線通信を使った空調照明制御システムを開発

オフィスビルでのテナントニーズに応えた高付加価値の提供

プレスリリース

株式会社大林組
アドソル日進株式会社

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)とアドソル日進株式会社(本社:東京都港区、社長:上田富三)は、携帯電話の赤外線通信とZigBee®(※1)通信を利用した空調・照明操作を行うシステムを共同開発しました。

テナントオフィスビルでは、機能性・防犯性・デザイン性といった高付加価値の提供が求められ、利用者の多様な要求に応えられることが差別化につながります。特に、空調や照明設備は、集中して仕事に取り組める最適な環境作りとして、利用者の快適性に直接結びつくため、個別・ゾーン別などの制御設備の敷設が増えております。

しかし、従来その制御操作は壁のスイッチや専用リモコンで行うため、広いオフィスほど利用者個人の利便性が低下していました。また、パソコンや携帯電話からWEBを利用して操作する方式もありますが、専用のWEBサーバーの構築費用や、携帯電話の通信料がかさむという課題がありました。

本システムは、広く普及している携帯電話の赤外線通信機能およびアプリ機能を使うことにより空調・照明操作を可能にしました。利用者はアプリケーションを自分の携帯電話に一度ダウンロードすれば、それ以降は操作による通信料金がかからず、赤外線の受光範囲内であれば好きな場所から自由に操作することができます。

本システムは、執務空間のよりパーソナルな快適性を向上し、オフィスビルとしての付加価値を高めます。

システム概念図

図1 システム概念図

【システムの特長】

  1. 自席から携帯電話を使った手軽な操作

    天井に設置する赤外線の受光部を工夫することで、通常数センチメートルの通信に利用する携帯電話の赤外線通信を使って、一般的な事務所ビルの通常の空調モジュールである7.2m ×7.2mであれば、どの席からも操作を可能にしました。(図2 赤外線感知範囲 参照
    またウェブを経由しないので通信料金がかかりません。


  2. 快適なオフィス環境により知的生産性向上と省エネ化

    一つのデバイス(携帯電話)から複数操作(照明発停、空調発停、空調風量、温度設定など)が可能なため、利用者の快適性に対する満足度を高め、知的生産性の向上が図れます。また携帯電話を個別に識別できるので、他のエリアの操作をできないようにして必要な部分だけ照明や空調を作動・操作することで省エネにもつながります。
    大林組は、平成22年9月に完成した技術研究所本館テクノステーション(東京都清瀬市)に本システムを採用しています。


  3. 通信配線工事や専用サーバーの構築が不要

    テナント工事や改修にも対応しやすいZigBee®無線通信を利用して、携帯電話の赤外線通信から受け取った信号を受光部から制御部へ情報を伝達するため、通信配線工事が不要になりました。加えて、従来であれば200~300万円の費用が必要な専用サーバーの構築も不要です。


  4. システム設置工事費

    当システムは、1,000m²あたり300万円程度の工事費で設置可能です。(施工諸条件により変動いたします)

大林組は、より高付加価値なオフィス空間を提供するため、快適さと省エネを実現する技術を今後も提供していきます。


※1 ZigBee®
双方向無線通信規格の一つ。通信の基礎部分はIEEE802.15.4による。日本国内では2.4GHz帯を使用し、データレートは250Kbps。低消費電力が特徴。
ZigBee®はZigBee Alliance Inc.の登録商標です


赤外線感知範囲

図2 赤外線感知範囲


以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報第一課
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アドソル日進 エンベデッドソリューション事業部
TEL 03-5796-3139

プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。