大林組では、大規模屋上緑化で生態系の保全に努めている「なんばパークス」(大阪市浪速区)や、幅45m、長さ400mの歩行者スペース「品川セントラルガーデン」(東京都港区)などで、都市部の緑地における熱環境や生物環境、CO2固定量などを調査し、定量的な測定データを収集しています。
継続的に測定することで、より良い環境づくりに役立てるとともに、測定データをノウハウとして蓄積し、環境に配慮した施設の提案や、環境技術の開発・実用化に活用することを目的としています。
品川セントラルガーデンでは、熱環境調査として、風の道や、夏季・冬季の温熱快適性評価、サーモグラフィ調査を実施しているほか、生態系調査として、植物や鳥類、昆虫類などの固体調査などを行っています。
また、樹木の幹の太さを1本ずつ測り、樹木の生長量から導き出せるCO2固定量を測定するなど、都市緑地が持つさまざまな機能を科学的に定量化しています。
大林組は、今後も都市の緑化などで地球環境に配慮し、生態系の保全やヒートアイランド対策、快適な環境づくり等に取り組んでいきます。
そして、お客様へのヒアリング等を通じてご要望に耳を傾け、蓄積したノウハウを活かしてニーズにお応えしていきます。
品川セントラルガーデン。品川インターシティ、品川グランドコモンズというビル群の間に広がる「都市のオアシス」となっています
緑地に架かるブリッジ上から、温湿度や風向風速などの気象測定を実施。南北に長い緑地帯が「風の道」を生み出していることを確認しました
全球赤外線カメラでの撮影。全方位のサーモ画像によって、周囲の温度が快適性に及ぼす影響を調査しました
鳥類調査では、目視や鳴き声などで生息種を確認し、定点調査で確認種を記録しています
400本以上の樹木を調査し、幹の太さや高さなどを記録して、CO2固定量を算出します
(左上から時計回りに)メジロ、ツグミ、シジュウカラ、ヒヨドリ。品川セントラルガーデンでは、この1年で6目14科17種の鳥類を確認しました。スズメやハクセキレイ、シジュウカラは周辺で繁殖しています
(左上から時計回りに)ハグロトンボ、チョウトンボ、ルリタテハ、クロアゲハ。11目67科133種の昆虫類を確認し、ハグロトンボやチョウトンボなどの貴重種も見つかりました。シオカラトンボやアキアカネなどは付近で羽化、繁殖しています