省エネとピークシフトを両立した空調システムの開発により「一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター振興賞」を受賞

プレスリリース

株式会社大林組
JX日鉱日石エネルギー株式会社
学校法人中部大学

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)、JX日鉱日石エネルギー株式会社(本社:東京都千代田区、社長:木村康)、学校法人中部大学(本部:愛知県春日井市、学長:山下興亜)は、省エネとピークシフト(電力負荷平準化)を両立した空調システム(※1)(以下、本システム)を開発し、一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターが主催する「第14回電力負荷平準化機器・システム表彰」で「振興賞」を受賞しました。

ビルなどの大型建築物では、夜間電力で冷水や氷を作り、昼はその冷熱を使い電力使用量を抑制することで、ピークシフトが可能となる「蓄熱システム」を利用した空調が普及しています。

今回の受賞は、JX日鉱日石エネルギーが開発した潜熱蓄熱材「エコジュール」を用いた「蓄熱システム」と、13℃~19℃程度の中温冷水が利用可能な空調(※2)を組み合わせることで、ピークシフトしながら省エネもできるシステムの開発が評価されたものです。開発に当たっては、大林組が全体設計ならびに施工を、中部大学が設計段階の基礎分析と実運転時の評価を行いました。

「潜熱」とは、水を例にすれば、氷になる際に吸収し、融ける際に放出する熱エネルギーのことであり、一方で、水のまま冷やし、そこから放出される熱は「顕熱」といいます。「潜熱」は「顕熱」に比べ非常に大きなエネルギーを得ることができ、これを蓄える技術を潜熱蓄熱といいます。

水が0℃で凝固するのに対し、エコジュールはノルマルパラフィンを主原料とし、凝固温度を生活温度領域(3℃~30℃)で自由に設定できることが大きな特徴です。
一般的な「蓄熱システム」の場合、6℃程度で凝固するエコジュールを用いることで、水(顕熱)だけを使う場合に比べ蓄熱容量の向上や蓄熱槽のコンパクト化ができ、また、氷の潜熱を利用する場合に比べても、冷却温度が高いため効率的に蓄熱ができます。

本システムでは、従来より高い凝固温度のエコジュールを用いることで、蓄熱を行わない空調と比較した試算では、電力量は約13%削減となり、これに伴うCO2排出量削減、さらには夜間電力を利用することで電力量削減以上の大幅な電力料金低減が期待されます。また、従来の水だけの蓄熱システムと比べ約40%の容積で同じ能力を発揮でき、設備のコンパクト化も可能となります。

なお、本システムは、2010年9月から、大林組技術研究所 本館テクノステーション(東京都清瀬市)で利用されております。

※1 受賞件名「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システムと潜熱顕熱分離型空調」

※2 乾燥剤を用いた除湿や放射による空調などを採用した「潜熱顕熱分離型空調」

【蓄熱システムによるビル空調のイメージ】

蓄熱システムによるビル空調のイメージ

【エコジュール ゲルパック・モジュール】

エコジュール ゲルパック・モジュール

【表彰式】

1. 日時:2012年6月13日(水)15:30~16:00
2. 場所:ロイヤルパークホテル クラウンルーム(東京都中央区)

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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JX日鉱日石エネルギー 広報部広報グループ
TEL 03-6275-5046

中部大学 広報部広報課
TEL 0568-51-1111

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