高効率・省スペース・低コストの3方式の地中熱利用システムを開発・実証

大林組技術研究所での空調用熱源に採用し、各方式で約40%の省エネ効果を確認

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、高効率・省スペース・低コストの特長を有した3種類の方式による地中熱利用システムを独自開発し、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の空調用熱源として省エネ効果の実証実験を行いました。その結果、3方式ともに消費電力量が約40%削減(夏期、従来システム比)し、高い省エネ効果を確認しました。これにより、お客様の建物・敷地条件などに合わせ、3方式から最適なシステムの省エネ提案が可能となります。

「地中熱」は、2009年に再生可能エネルギー源として、法律(エネルギー供給構造高度化法)により規定され、東日本大震災以降の省エネや節電、自然エネルギー活用への意識の高まりから注目を集めています。年間を通して一定な地中温度を利用した冷暖房システムは、従来の冷暖房システム(空冷ヒートポンプ)よりも消費電力が少なく、省エネやCO2排出量の削減効果も大きいのが特長です。

地中熱利用温度と外気温度の比較(2011年夏期)地中熱利用温度と外気温度の比較
(2011年夏期)

消費電力量の削減効果(2011年夏期)消費電力量の削減効果(2011年夏期)

また、大気中に排熱を放出しないので、ヒートアイランド現象の抑制効果も期待でき、既に欧米では普及が進んでいます。しかし、国内では設置に伴う初期コストが高いことや、認知度の低さなどが理由で、普及が進んでいない状況です。

今般開発した高効率・省スペース・低コストの3方式の地中熱利用システムは、地中熱交換用の掘削孔への埋め戻し充てん材に高熱伝導性材料を使用した「高効率ボアホール方式」や、建造物の杭や基礎下空間を利用して、地中熱利用のための掘削を省略し省スペース化を実現した「山留杭併設方式」、工事費の低コスト化を実現した「基礎下水平方式」で構成しています。

3方式の地中熱利用システム3方式の地中熱利用システム

大林組技術研究所本館での適用方法大林組技術研究所本館での適用方法

これらの地中熱利用システムを、大林組技術研究所本館テクノステーションに適用し、省エネ効果40%(夏期、従来システム比)を確認しました。

また、性能予測などの技術解析に始まり、設計、掘削・配管建て込み工事、設備工事を当社一貫体制で行うことにより、工期短縮や施工コストの削減を図ることができました。

今後は、お客様の建物や敷地条件などに合わせ、3方式の中から最適な地中熱利用システムを提案していきます。

高効率・省スペース・低コストの地中熱利用システムの3方式の主な特長は以下のとおりです。

高効率・省スペース・低コストの地中熱利用システムの3方式の主な特長

大林組は、クリーンで省エネ効果の高い地中熱利用システムの積極的な提案により、エネルギー効率が高い建物を実現し、環境負荷の低い持続可能な社会へ貢献していきたいと考えています。

以上

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大林組 CSR室広報部広報第一課
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