株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、国立大学法人千葉大学と、省エネ・低コストをめざした人工光型植物工場の共同開発を開始しました。
人工光型植物工場は、食の安全性や安定供給という面から注目されています。しかし、人工光型植物工場は、栽培のための装置が高額となるだけでなく、栽培に要する消費エネルギーなども多くなっています。結果として栽培された作物が高価となり、採算性が取りにくい状況です。
大林組は、このたび千葉大学と共同研究契約を結び、従来の人工光型植物工場に比べ、消費エネルギー、初期コストともに30%の削減をめざした植物工場の開発に着手しました。
千葉大学大学院園芸学研究科は、養液栽培や環境制御の分野でも研究が進んでおり、特に、人工光型植物工場に関しては豊富な技術と知見を持っています。一方、大林組には、省エネルギー技術、生産施設の設計施工による豊富な実績があり、それらを合わせることで、革新的な開発が期待できます。
既に、栽培実験施設を千葉大学内に建設し、栽培に着手しています。種苗業者の協力と生育環境条件の工夫により、栄養価値の高い作物が栽培され、実験・研究データの収集などが始まっています。
共同研究の概要は以下のとおりです。
名称:人工光型植物工場による作物製造施設の技術開発
共同研究者:国立大学法人千葉大学
期間:2012年9月~2014年3月
研究内容
(1)省エネルギー化:断熱性・密閉性の向上、照明効率の向上、空調方式の最適化
(2)初期コスト削減:システム建築の採用、レイアウトの改善
(3)省資源化:水の循環再利用、CO2・施肥の利用効率の改善
大林組は、これらの実験・研究の成果を活かしてその後の事業化へとつなげる計画です。事業の展開につきましては、食品加工メーカーと連携し、植物工場と加工工場を一体化し、付加価値のある農産加工品として販売する手法で、事業化の可能性を検討し、販路も含めた6次産業化をめざします。また、植物工場をシステムパッケージ化して販売することで、年間15億円程度の市場を見込んでいます。
大林組の建設実績は、1970年を皮切りに、当時では先駆的な植物工場であるファイトトロン(※1)や自動化温室がありますが、事業化も視野に入れて取り組むのは今回が初めてです。
大林組は、植物工場などを含め、これまで建設事業で培ってきた技術・ノウハウと潜在的なニーズとをマッチングさせ、新たなビジネスモデルとして事業化するビジネス・イノベーション分野の発掘・育成を行い、収益基盤の多様化を推進していきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。
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