株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、2012年12月から2013年1月にかけて、矢作ダム(国土交通省)貯水池において、「水頭差を利用する吸引方式(※1)の排砂工法」について現地実験を行いましたので、お知らせします。
一般にダムでは、100年間にたまると想定される土砂の量である堆砂容量を、治水・利水容量とは別に確保しています。矢作ダムを含む一部のダムでは、経過年数に対して、大洪水などに伴い計画を上回る早さの堆砂となっていることにより、治水・利水機能などへの影響が懸念されています。このため、ダムの堆砂をより効率的で、安価に排砂できる技術の実用化が求められており、その一つの手法が「水頭差を利用した吸引方式による排砂工法」です。
今回の実験は、国土交通省中部地方整備局矢作ダム管理所の公募に対して応募したものです。大林組と株式会社ダムドレ(本社:東京都中央区、社長:小島徳明)が共同研究を進めている「移動式による吸引方式」により、矢作ダム貯水池において、これまでに例がない大口径の排砂管を用いた実験を行いました。
【実験結果】
吸引方式による排砂が可能であることを確認
大口径(φ600mm)の排砂管により、水頭差を利用して、河床に堆積した土砂を排砂することが可能であることを確認しました。吸引特性を把握
排砂管に各種計器を設置し、さまざまな条件において、吸引流速・水圧・土砂濃度などの特性を把握しました。
大林組では、この実験で得られた知見をもとに、ダム堆砂対策技術を発展させ、幅広く活用できるように、実用化に向けて引き続き技術開発を進めていきます。
■実証実験の設備縦断図
■実証実験の設備全景
■排砂状況
■排砂面
■吸引された砂れき
■吸引された木片
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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