大規模地震時にも天井の崩落を抑止するフェイルセーフ技術を開発

建物を使いながら、短工期・ローコストで対策工事が可能

プレスリリース

大規模地震時にも天井の崩落を抑止するフェイルセーフ技術を開発

建物を使いながら、短工期・ローコストで対策工事が可能

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、大規模地震時に既存の吊り天井が壊れた場合でも、崩落を抑止し人命を守るための避難時間を確保できるフェイルセーフ技術を開発しました。

2011年3月の東日本大震災では多くの施設で天井が崩落し被害が発生しました。この状況を受け、国土交通省は、建築基準法上の天井耐震化の安全基準の引き上げを予定しています。

既存建物の天井耐震化には、施工が困難で多大な費用がかかるなど多くの制約がありました。本技術は、短工期・ローコストを追求した工法で、まずは人命に関わる施設の安全性を確保する対策を早期に実施したいというお客様のニーズに応える技術です。既存の天井を解体せず、建物を使いながら施工可能な、「フラットバー(支持用平鋼)+ネット工法【図1】」と「ストリングス(つり糸)工法【図2】」の2つの工法の適用により、大規模地震時にも既存天井の崩落を抑止します。

いずれの工法も、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の振動台実験装置を用いた加振実験により、東日本大震災の仙台波や阪神淡路大震災の神戸波を再現した加振で性能の検証をしています。その検証結果では、国土交通省が規定する(2013年8月5日特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件(平成二十五年国土交通省告示第七百七十一号))天井面加速度2.2Gの1.5倍に当たる3.3G(震度6強相当)の地震に対しても天井の崩落を抑止するフェイルセーフ機能の有効性が確認されました。

本技術は、規模の大小を問わず、オフィス、工場、研究施設、学校、劇場などの吊りボルトで施工された天井全般を対象にしています。さらにストリングス工法では、曲面形状の天井にも対応しています。

開発済みのシステム天井用高耐震化工法「O-GRID(オーグリッド)高耐震仕様」を含め、天井耐震化工法のラインナップの拡充により、新築や既存建物を問わず、さまざまな条件に適したより良い工法の選択が可能となりました。

図1 フラットバー+ネット工法

フラットバー+ネット工法

図2 ストリングス工法

ストリングス工法

本技術の主な特長は以下のとおりです。

  1. 地震力2.2G(※1)に対して設備機器を含めた天井の崩落を抑止し、安全性を確保
    大林組技術研究所にある国内最大級の振動台を用いて、21m2の設備機器を加えた天井モデルの加振実験により、フェイルセーフ機能が有効に働くことを実証しました。大規模地震時でも天井の崩落を防止し、安全な避難を可能とすることで被害の拡大を抑止できます。
  2. 人命に関わる被害防止を第一に考えた合理的な工法により、工期とコストを大幅に低減
    既存天井を解体せず、既存の吊りボルトを使用しフラットバーやネット、ストリングで支える工法のため、工期は既存天井を解体して新しく張り替える工法に比べて約4分の1に短縮できます。またコストは3分の1~4分の1に抑制できます。
  3. 建物を使用しながら工事を進めることで、お客様の負担を軽減
    既存天井を解体しない工法のため、施設を使用しない夜間、休日を利用して施工することが可能です。工事に伴う移転など、お客様の負担を最小限に抑え業務を継続したままで施工できます。
  4. 設備機器との干渉も少なく、目立たない工法
    実際の建物では天井にさまざまな設備機器が設置されていますが、それらとの干渉が少ないのが特長です。
    またフラットバーとネットはどちらも天井の色に合わせることができ、ストリングもロープ形状で径が1.5mmのポリエチレン製のため、どちらも対策の実施が目立たず意匠性を損ないません。加えて、施工に当たっての廃棄材料の発生もほとんどなく、環境にも配慮した工法です。

大林組は、これまで培ってきた天井の耐震化技術に加えて、天井の崩落を抑止する工法を積極的に展開し、安全・安心な社会の実現に貢献していきたいと考えています。

※1 地震力2.2G
国土交通省が規定する(2013年8月5日特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件(平成二十五年国土交通省告示第七百七十一号)天井面加速度

 以上

 

この件に関するお問い合わせ先

大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
 

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