車両積載物向けの「放射能測定ゲート」を開発

積載したままの状態で、短時間、高精度に放射能濃度を測定

プレスリリース

株式会社大林組
キャンベラジャパン株式会社
 

車両積載物向けの「放射能測定ゲート」を開発

積載したままの状態で、短時間、高精度に放射能濃度を測定

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)とキャンベラジャパン株式会社(本社:東京都台東区、社長:山之内壽彦)は、積載したままの状態で、車両積載物の放射能濃度を、短時間、高精度に測定するシステム「放射能測定ゲート」を共同で開発しました。

除染廃棄物などの車両積載物の放射能濃度を測定する場合には、時間やコストの制約から車両周囲の空間線量の測定により代替するのが一般的でしたが、積載物や容器の性状、測定場所に既に存在する空間線量などが、測定結果に影響を及ぼすことが課題となっていました。

がれき処理や除染作業の実績とノウハウを有する大林組は、放射能濃度測定機器で世界一の実績を有するキャンベラジャパンの高精度放射能定量技術「ISOCS™」を活用して、「放射能測定ゲート」を開発し、積載物自体の放射能濃度の短時間かつ高精度な測定を可能にしました。

 放射能測定ゲートの使用例

放射能測定ゲートの使用例

「放射能測定ゲート」の主な特長は以下のとおりです。

  1. 運搬車両に積載したまま高精度な濃度測定が可能です。
    大型NaI検出器(※1)と、豊富な知見データに基づき開発された数学的効率校正プログラム「ISOCS™」により、運搬車両に積載したまま、積載物自体の放射能濃度を高精度に測定します。幅広い濃度(食品向け管理値である100Bq/kg から高濃度の100万Bq/kgまで)に対応し、成分によって半減期の異なる、Cs(セシウム)134、Cs(セシウム)137および天然核種(Ra(ラジウム)、Th(トリウム)、K(カリウム)40)を分離して測定できます。
  2. 種々の車両の積載物をわずか1分で測定できます。
    一つのゲートで、大きさの異なる4t、10t、20tなどの車両に対応できます。また、放射能濃度の厳密な数値を測定する際に使用されているGe検出器(※2)を用いて、車両1台の測定を行った場合には測定時間が3時間かかりますが、高精度分析システムを用いた本技術では、1台当たりわずか1分(約60台/時間)での測定が可能になりました。この飛躍的な精度の向上は、複数のNaI検出器の独自ノウハウを活かした配置方法と、「ISOCS™」との連携によるものです。
  3. さまざまな環境で使用可能で、安価で取り扱いやすいシステムです。

    NaI検出器の断面

    NaI検出器の断面

    本技術で採用しているNaI検出器自体のコストは、Ge検出器と比較して約3分の1です。実際の計測に際しては、その他の特別な機器は不要で、計測結果に基づく自動合否判定やモニター上での放射能濃度分布をリアルタイムで確認できます。

    また、測定場所が高線量地域でも、信頼性の高い測定を可能にするため、検出器の周囲は鉛で遮蔽(しゃへい)し、車両が停車するゲート部を放射能遮蔽効果の高い特殊コンクリートで覆うことで、ゲート周辺の空間線量の影響を除外した測定環境を保持する構造になっています。

大林組とキャンベラジャパンは、除染廃棄物の仮置き場や中間貯蔵施設における搬出入物の放射能濃度管理に「放射能測定ゲート」を提案し、東日本大震災における被災地の1日も早い復旧に貢献したいと考えています。

 放射能濃度分布 確認画面イメージ

放射能濃度分布 確認画面イメージ

 計測結果自動合否判定画面イメージ

計測結果自動合否判定画面イメージ

※1 NaI検出器
検出器の材質にNaI(ヨウ化ナトリウム結晶)を使用。検出感度が良く測定時間が短く、運用が容易な一方で、一般的に、単体では放射性物質ごとの分別能力が低いといわれる。

※2 Ge検出器
検出器の材質にGe(ゲルマニウム半導体)を使用。放射性物質ごとの分別能力が高い一方で、一般的には測定に長い時間を要するといわれる。

 以上

 

この件に関するお問い合わせ先

大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
 

キャンベラジャパン 営業部
TEL 03-5835-5402
 

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。