放射能汚染物質を梱包する大型土のう袋などを処理する大型破袋機を開発

破袋・分別・搬出の自動化で作業員の安全性と作業効率を大幅に向上

プレスリリース

株式会社大林組
株式会社御池鐵工所

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)と株式会社御池鐵工所(本社:広島県福山市、社長:小林由和)は、放射能汚染物質の入った大型土のう袋やフレコンバッグなどから、安全かつ迅速に袋を破いて内容物を取り出すことができる「大型破袋(はたい)機」を共同で開発しました。

除染で発生する除染除去物は最大で2,800万m³と見込まれ(環境省推定値)、今後、仮置場から中間貯蔵施設に移送される計画となっており、中間貯蔵施設では1時間当たり180m³に相当する大型土のう袋などを受け入れ分別する必要性があります。しかし、膨大な数量の大型土のう袋などを作業員が個別に破いて内容物を取り出すのは、作業効率が悪く、かつ被曝の可能性から作業員の健康についての危険性を伴うことが問題でした。

そこで両社は、大林組の建設現場での機械施工技術や除染作業のノウハウと、御池鐵工所の破砕・分別機械の設計製作技術を活かして、放射能汚染物質に作業員が触れることなく、迅速に大型土のう袋などを破くことのできる機械を開発しました。加えて、今後も大型破袋機のさらなる性能強化と遠隔操作化に向けた取り組みを継続していきます。


大型破袋機の全景

大型破袋機の全景

今回開発した「大型破袋機」の主な特長は以下のとおりです。

  1. 高い処理能力

    1時間当たり180m³以上に相当する大型土のう袋などの迅速な処理が可能です。土のう袋などの破袋はもちろん、土砂などの内容物と破袋された袋の分別、搬出も自動化され、作業員数と作業員の被曝量を大幅に低減できます。要員数は、従来型の重機を用いた破袋作業と比較して約80%低減可能であり、作業スピードでは約3倍の高い効率性を実現しています。

  2. 高い適応能力

    カッタードラムの配置、カッターの形状を工夫することにより、どのような内容物でも確実かつ連続的に破袋することを可能にしました。

  3. 高い耐久性

    大林組が有する硬岩掘削技術を応用し、主要部品への高張力鋼や超硬チップなどの適用により、転石などの混入があった場合でも部品が破損することはありません。また、耐摩耗性も高く、メンテナンスを最小限に抑えることが可能です。

大林組と御池鐵工所は、放射能汚染物質の処理の迅速化に役立つ技術として積極的に提案し、被災地の早期復旧・復興に向けた支援を継続していきます。

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
お問い合わせフォーム

御池鐵工所 営業部
TEL 048-261-1166

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。