株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、地震や豪雨など大規模災害時の支援・復旧活動を迅速かつ有効に行うため、災害時に物流拠点となる東京・大阪機械工場を、BCP対応機能の強化を目的に再整備することとしました。また、再整備に当たっては、機械工場本来の機能充実に加えて、技術開発の実証実験や社員教育の施設としての機能拡充を図ります。
阪神淡路大震災や東日本大震災における支援・復旧活動や継続実施してきた震災訓練での経験を通して、各所から調達した支援・復旧用資機材を被災地に配送する際には、被災地にアクセスが容易な拠点に一旦集積し、被災地の要求や受け入れ状況に応じて、震災対策本部などによる一元管理のもとで実施することが必要かつ最も有効であると分かりました。
そこで、工事用資機材を保管・整備し、現場へ配送している東京機械工場(埼玉県川越市)と大阪機械工場(大阪府枚方市)を、震災支援・復旧活動時に支援・復旧用資機材の調達物流の中核を担う施設として活用できるよう再整備することとしました。
主な整備内容は、震災などでインフラが途絶え、現在、大部分を外部に頼っているエネルギー(電力、燃料など)の供給が停止しても7日間の稼働が可能な事務所棟と整備棟の新築、およびBCP対応設備の新設です。7日間という期間は、阪神淡路大震災および東日本大震災の発生後、幹線道路など主要ライフラインの復旧までに要した期間をもとに設定しています。事務所棟は免震構造とし、被災時でも震災対策本部や本支店と連携した活動ができるよう非常時通信設備を備えるほか、整備棟には耐震型クレーンを採用し、被災時でも物流拠点としての機能を確保します。
また、再整備に当たっては、工場敷地の中心に大型整備棟を整備することで工事用資機材の保管・整備・配送などの一連の業務の効率化を行い、近年の工事機械大型化に対応するために、整備棟の天井クレーンの揚程を高くするとともにつり上げ能力を増強することで機能充実を図ります。
加えて、技能労働者不足解消に向けた省力化技術などの開発を進めるため、各種機械の実用化に向けた実証実験スペースを新設するとともに、大林組社員の施工管理技術の伝承のため、既に大阪機械工場に設置されている実物大模型を用いた体験型研修施設を東京機械工場にも新設し、受講対象者の拡大、研修内容のさらなる充実を図っていきます。
なお、総工費は約70億円を予定しています。
【整備概要】
- 東京機械工場
(1)工期 2014年8月~2015年12月
(2)構造
ア 事務所棟 S造、2階、延べ床面積2,000m²
イ 整備棟 S造、1階、延べ床面積5,400m²(3)主なBCP対応設備
・軽油タンク 5,000リットル
・ガソリンタンク 5,000リットル
・水道水用貯留槽 11,000リットル
・雑用水用貯留槽 30,000リットル
・排水貯留槽 5,000リットル
・LPガス(プロパンガス)(4)採用する主な開発技術
ア 事務所棟 O-GRID、スキットエア、リニアートフロア、エコルミLED
イ 整備棟 クリーンクリート
- 大阪機械工場
大林組は、今回の機械工場の整備により地域社会・顧客のBCP支援要請に確実に応えていくとともに、その機能拡充により、安全、安心な建物を提供できる体制を整えることで、社会に貢献し続けていきます。
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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