急曲部のあるトンネル工事に連続ベルトコンベヤーを適用できる低空頭ベルト捻転装置を開発

プレスリリース

急曲部のあるトンネル工事に連続ベルトコンベヤーを適用できる低空頭ベルト捻転装置を開発

斜坑のあるトンネル工事の生産性・安全性を向上させます

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、道路や鉄道のトンネル工事への連続ベルトコンベヤーの導入が容易となる低空頭ベルト捻転装置を開発しました。

低空頭ベルト捻転装置

低空頭ベルト捻転装置

近年計画される鉄道や道路のトンネルは、延長が数kmにわたる長距離化が進んでいます。長距離トンネル工事は、本坑を幾つかの工区に割り、各工区並行して掘削を進める関係上、斜坑を設ける例が多く、本坑との接続部は急激に角度が変化する箇所(急曲部)となるため、安全でスムーズな掘削土の搬出方法が求められていました。

大量の掘削土を一連で搬出できる連続ベルトコンベヤーは、最も安全で効率的な搬出方法ですが、急曲部ではベルトの方向を急展開するベルト捻転装置が必要となります。従来の装置は大型で、大抵の坑内の縦幅よりも高さがあるため、設置のための拡幅作業が必要となるなど、使用できる条件が限られていました。そのため通常は、ダンプトラック単独での搬出、または、斜坑と本坑それぞれ2つのベルトコンベヤーを急曲部で接続させる乗継ベルトコンベヤーによる搬出方法が用いられます。

しかし、トラックの場合は、掘削土置き場との往復に時間がかかるため、作業時間に制約が生じることや、排気ガスにより坑内環境が悪化することなどが問題でした。

連続ベルトコンベアーのベルト延長装置(ベストストレージカセット)

連続ベルトコンベアーのベルト延長装置(ベストストレージカセット)

また、ベルトコンベヤー方式の場合、トンネル本坑の延長に伴ってベルトを継ぎ足す必要があります。連続ベルトコンベヤーの場合は一連のベルトのため、延長装置(右)を斜坑の外に設置し、継ぎ足し作業をすることで延長できるのに対し、乗継ベルトコンベヤーの場合は、斜坑のベルトコンベヤーと本坑のベルトコンベヤーがつながっていないため、本坑の中に延長装置を設置し、クレーンを使って延長に必要な継ぎ足し作業をする必要があります。そのため、狭あいなスペースでの揚重作業による挟まれ災害のリスク、作業性の低さが課題でした。

そこで大林組は、急曲部のあるトンネル工事に連続ベルトコンベヤーの適用を可能にするため、標準的な断面積のトンネル内に設置可能な、省スペース型の低空頭ベルト捻転装置を開発・実証しました。設置のためのトンネル拡幅作業は不要で、大量の掘削土を安全かつスムーズに搬出することができます。

低空頭ベルト捻転装置を適用した連続ベルトコンベヤーの主な特長は以下のとおりです。

  1. 省スペース化により急曲部のあるトンネルにも適用できます

    従来の捻転装置はベルトを90°捻転するため、多くのプーリー(※1)と広い捻転スペースが必要でした。低空頭ベルト捻転装置は、捻転角度を45°に変更したことにより、プーリー数の削減と約15%の低空頭化に成功しました。これにより、急曲部のある坑内でも、拡幅工事の必要なく連続ベルトコンベヤーの設置が可能となりました。

    従来型と低空頭ベルト捻転装置との概要比較

    従来型と低空頭ベルト捻転装置との概要比較

  2. 労務削減、工期短縮を実現します

    斜坑と本坑内を一連の連続ベルトコンベヤーで土砂搬出するため、効率的に掘削作業を行うことができます。ダンプトラック単独での搬出方法のようにトラックが切羽から掘削土置き場まで往復することによって生じる待ち時間の制約がなく、また、乗継ベルトコンベヤー方式と比較して、坑内での設備の組み立て、解体作業が簡単であるうえにベルト延伸設備が坑外に集約できるので、坑内での揚重作業が減少し、労務削減、工期短縮につながります。

    それらの総合的な効果により、例えば、斜坑のある3,000mの本坑長距離トンネル工事を想定した場合、ダンプトラックと乗継ベルトコンベヤーを併用した場合に比べ、約10%の費用削減が可能です。

  3. 作業環境や安全性が向上します

    ダンプトラック単独での搬出方法と比較して、坑内を往来するダンプトラックが大幅に減少するため、排気ガスの低減や、通行車両との接触災害の危険度が低下し、坑内の作業環境と安全性の向上につながります。また、乗継ベルトコンベヤー方式のような、坑内での延長装置の設置や、ベルトの継ぎ足し作業が不要となるため、挟まれ災害のリスクが低減します。

大林組は今後、急曲部のある長距離トンネル工事に連続ベルトコンベヤーを適用できる低空頭ベルト捻転装置を積極的に適用し、トンネル工事の生産性・安全性の向上に貢献してまいります。

低空頭ベルト捻転装置

実証実験中の低空頭ベルト捻転装置

※1 プーリー
ベルトコンベヤーを動かすための車輪のような回転体

以上

 

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
 

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。