シールド坑内自動測量システム「OGENTS/SURVEY™」を開発しました
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、株式会社演算工房(本社:京都府京都市、社長:林稔)と共同で、シールド坑内自動測量システム「OGENTS/SURVEY(オージェンツ/サーベイ)」を開発しました。
シールド工法を用いたトンネル工事ではICT化や自動化への取り組みが早くから進んでいますが、今後予測される人口減少や少子高齢化に伴って、シールド技術者や熟練作業員などの技能労働者が不足するという業界全体の課題に対応するためには、より一層の生産性向上を実現する自動化技術の開発と普及が求められています。
現在大林組では、あらゆるシールドトンネルの現場で適用可能なシールド自動化システム「大林インテリジェントシールド(OGENTS:Obayashi Intelligent Shield)」の開発に取り組んでいます。シールド工事全体を省力化することで生産性向上を図るもので、国土交通省が推進している「i-Construction」のシールドトンネル工事における具体化技術として実用化をめざしています。
「大林インテリジェントシールド」のシステム開発においては、シールド工事に係る作業を大きく6つの分野に分け、それぞれ個別の要素技術の開発と、それらをすべて統合し全体を自動化するメインシステムの開発を並行して行っています。今後、要素技術の開発を2020年までに行い、メインシステムを2021年までに完成させる計画です。
今回、その第一弾として、6つの分野の1つである「シールド自動測量」について、シールド坑内自動測量システム「OGENTS/SURVEY」を開発しました。
シールド工事においては、その進捗と施工精度を管理するために日々坑内測量を行いますが、これまでシールドマシンの位置や姿勢に対する測量(マシン測量)は自動化されているものの、セグメントの水平・鉛直方向の蛇行量に対する測量(セグメント測量)などは、従来どおり手動で行っており、自動化技術が求められていました。また、狭あいな空間での作業が多く測量機器をのぞき込む作業(視準作業)が中腰の姿勢になるなど、計測者に身体的負荷がかかるうえ、シールドの掘進工程に影響を与えないように作業時間が制約されるといった課題もありました。
本システムは、シールド工事において必要となる4つの測量(坑内基準点測量・水準点測量(※1)、セグメント測量、マシン測量)すべてについて、自動視準トータルステーションをタブレット端末にて遠隔操作することで、他の測量機器を用いることなく自動で実施することが可能です。
「OGENTS/SURVEY」の特長は以下のとおりです。
タブレット端末を用いた遠隔操作による自動測量
これまでのシールド坑内測量は視準作業を行う計測者と、その補助者の2人で行うことが一般的です。本システムでは、管理者が測量に必要なターゲットとトータルステーションを設置し、タブレット端末にてトータルステーションを遠隔操作することにより測量作業を行うため、計測者や補助者を必要としません。また、視準作業が不要となることから計測者の身体的負担を削減します。
あらゆる坑内測量へ対応し、生産性を向上
本システムでは、1台のトータルステーションで、従来から自動化されていたマシン測量に加え、坑内基準点測量・水準点測量、セグメント測量を自動で行います。それぞれの測量結果はシールド掘進管理システムに送信されることから、現地での記録やシステムへの入力作業が省略され、測量時間が30%短縮するだけでなくヒューマンエラーを防止します。
自己診断機能と自動校正機能により、高い測量精度を維持
自動視準トータルステーションは、現場で利用する際の振動や衝撃などの影響により精度が低下することがありますが、これまでのシールド自動測量システムでは精度の低下を検知する機能がありませんでした。
本システムでは、精度の低下を瞬時に検知する自己診断機能を導入するとともに、自動で機器校正を行うセルフキャリブレーション機能を併用することで、高い精度を維持することが可能です。
大林組は、シールド工事において「OGENTS/SURVEY」を活用して生産性を向上するとともに、技能労働者不足に対応します。また、長距離化が進むシールド工事において高い精度の確保と高速施工に寄与するとともに、シールド自動化システム「大林インテリジェントシールド(OGENTS)」の早期実現をめざし、顧客満足度のさらなる向上に努めていきます。
- ※1 坑内基準点測量・水準点測量 シールド坑内において、他の測量のベースとなる水平・垂直の座標を設定するための測量
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
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